不動沢への招待

メンバー:朝岡+α(某山岳会M氏) (記録:朝岡)

不動沢は本当にすごい所だ。小川山の直ぐ近くなのにまったく異質だ。ワイルドな雰囲気がめいっぱい漂っている。奮闘するルートが盛々待っている。

大双里沢/エンパイアタワー/ブロンクス(5.9)にて

 アプローチに迷いながら、木登り、沢登りもどき?、で『もう帰えろか〜』と思いながら、へとへとでやっと辿り着いた!エンパイアタワー。なんと3時間も経過!

 名前&ハンドサイズとの記述にひかれてやってきたエンパイアタワーはちっこいけど、ドデーンと立っていた。ほとんど登られていない様子、不安になりながら、ぐるぐるぐるぐると周りから眺める。
『こんなん取付いて大丈夫かいのぅ???』

 出だしコーナーのフレークが剥がれそうなので、1本左のハンドクラック(ブロードウェイ・五番街のスタート)から取付く。これは快適、、、で木のテラスへ。この先のクラックは中間が脆く、カムをきめると岩がみしみしと崩れるし、ジャムをしようとしても崩れてくる。『えいや!』とぬけて、右のクラックへ移る。

 ハンドクラックは『あっ』と終わってしまい、小さなテラスへあがるのだが、目の前の岩はギュっと掴むと抜けそうで、『神様お願い!』と騙し騙しテラスに立ち込む。

 しかし、その上はオフハンド、、、、。途方にくれるが、ここで落ちたら、下の脆いクラックにきめたJr.はきっとふっとんで、その下もフレアぎみのクラックだからふっとんで、、、、、絶対落ちられない。左のフレークはまぁまぁかかりがいい。『よっしゃ!レイバックしかない!』

 再び『神様仏様みんなお願い!』とレイバックする。手はぬめってくるが絶対落ちれない。下にきめたJr.が小さくなる。でも進むしかない。じりじりと体をずり上げ、目の前に木が近づいてきた。『もう少し、、、あと5cm、、、』細い根っ子をそっとひっぱってみる。生きているようだ。

 再び『お願い』『お願い!』と祈りながら根っ子をそっとつかみ、木の幹にしがみついた。渾身の力をこめてテラスへずり上がる。

 ここをこなせばてっぺんはすぐ上だ。だんだんに積まれた小岩はのっかってるだけのようで、体を預けられない。木の枝にカムやロープが引っかかって、身動き取り難い中、なるべく小岩を引っ張らないように、その小岩の上に立ちあがった。

 てっぺんの大岩の小さなフレークに黄色のエイリアンをきめ、小さなエッジに右足を乗せ、最後のマントルだ。黒く乾いたイワタケがびっしりと生えたてっぺんに、『これで終わりだ』と腕を立てる!、、、、、が一面のイワタケ!『ビレー点が無い!?』そんな馬鹿な。ボルトが2つ有るはずだ。と、もう一度マントルするが、『やっぱり無い!』『ボルトが抜けたのか?』『ここからクライムダウンか?』

 とりあえず、パートナーM氏に『ビレー点って天辺にあるんですよねー?』と尋ねる。『そうだよ。左の方ー。』『左?左?』よーしもう一度。。。。。『な〜…・・あったぁ!』

そこには手作りのハンガーに真っ黒になった、撚紐とおぼしきロープがちょろんとあったのであった……。

 撚り?ロープはまったく解けず、ナイフを持っていなかったので、岩角でゴリゴリとロープをけずり、新しいロープに架け替え、ほっと一安心。

『ビレー解除〜〜〜』

 懸垂下降中に抜けんよなぁ。大丈夫だよなぁ。こんな山奥で落ちたら、、、、。頭の中は心配でいっぱい。M氏がフォローしてきて、ちょっと安心する。
周りは岩がごろごろ点在していて、よく見渡せる。昨日登った摩天岩も見える。

『昔の人はすごいよなぁ』

*この日はこの1本登ったのみ。でも充実感いっぱいだった。一緒に登ってくださったM氏と不動沢に感謝♪