メンバー:藤田・中島・朝岡(記録:朝岡)

 年末に藤田さんが一目惚れしたという五竜北尾根へ行ってきました。 メンバーは藤田・朝岡そして強力な助っ人さわんちさん(藤田さんの後輩)の3人です。 新品スタッドレスを有効利用するために、車でGO! 今週は週初めから冬型が強く、かなりの積雪が期待? できそうだ。

2/10 名駅前サークルK19:50=小牧IC=豊科IC=五龍とおみスキー場0:20
2/11  五龍とおみスキー場8:20=【ゴンドラ】=アルプス平−地蔵の頭8:50−11:20/35大遠見先の下り口−12:45北尾根取り付き−17:20 2050mTS

 3連休ということで、朝起きると駐車場は車でいっぱいだった。 登山者もスキーヤーも多いかなと、朝一のゴンドラに乗るべく並んで待つ。 でも、登山者は少なく、他に2パーティ(田辺+寺田ポチ+お客さんのパーティ/山スキーのパーティ)いただけ…。

 麓は晴れていたのに、山上はガスガスで、雪も降っている。風は無いけど、どんどんと雪が降り積もっていく…。
大遠見から

 大遠見からシラタケ沢へ下る。 新雪の下はクラストしているが、かぶっている雪はスパンスパンと落ちていき、嫌な感じ。 朝岡:『こんな天気でも行くんだぁ。』、 藤田:『行っていいのか?行っていいのか?俺?!』、 さわんちさん:『あぁ〜誰も何にも言わないし、行くんだなぁ〜。』 というような事をみんな思っていたら・し・い。

 木の間をぬって、急な下りをザコザコと降りていくと、シラタケ沢に出る。 対面の北尾根上部は真っ白で見えないが、下部はよく見える。 『取付いちゃってイイノカ?俺!』と思いながらも、藤田さんは沢を渡っていった。 『頼む〜雪崩れないでクレ〜』と祈りながら一人ずつ沢を横切る。

 ルンゼを少し直登し、木を頼りに右へトラバースし、やせた尾根をたどる。 はやくも、朝岡グズグズの雪壁に泣かされ、ステップを崩し木にしがみ付きながらの遅々とした登りとなる。

 ダケカンバ?が結構生えているとはいえ、右は所々雪屁が出でおり、左は急なルンゼ状雪壁、、、、、 しかも腰を超えるラッセル。 私がトップに立つとなかなか進まず、もがけども、もがけども立ちこんで行けない。 後では、さわんちさんの『ふぅ。』『はぁ。』と呆れられいるのか? よくわからない溜息が聞こえる。

 15時に1800m付近に着き、テントを張るか迷うが、2100m辺りまで行けば何とかなるだろうと先に進むことにする。 あと300mを2時間で登れるか?


 2000mを越えた辺りだろうか、のっぺりとした急な一枚板の様な雪壁に突き当たる。 藤田さんトップで、表層雪崩をおこしながら登って行く。 一手、ピッケルを振るう毎に、面白い様にスパンと雪面が切れ落ちて行く。 下に居る2人はたまったもんじゃない。 始めは何が起きているのかよくわからずボヘ〜と眺めていたが、ドンドン雪が落ちてきて、『やばい!ここで待っていると、雪に埋まってしまう!』と思い、慌てて雪崩のラインから逃れる。

藤田:手元から雪面が波打ちながら雪崩れていくのを初めて見ました。 「えぇんかいなぁ〜?」 先頭も大変だけど、雪をどかどかかぶる後ろの人も大変。


 でも、ステップはすっかり埋まっており、ラッセルのやり直しだ。 もたもたしている間に2人は一段上の雪面に行ってしまい、一気に不安になる。 『ここで落ちたら、誰にも気付かれない。それだけはイヤだ。』『神様!お願い!』と半泣きで登って行く。 一段上からも、引き続き雪崩れてきており、まだ先が長そうだ。 時間は刻々と過ぎて、もう薄暗くなって来ていた。
 雪崩斜面を登って行くと、左からの尾根に突き当たる。 そこから木の生えた急斜面を10mほど登った尾根上は広そうだが、突き当たりの斜面を切り崩してテントを張ることにする。 3天をギリギリ張れるだけのスペースを確保し、湿雪でずぶ濡れの体でテントに転がりこんだ。
 火をたいても、全然温まらず、濡れたままシュラフに入り、明日の好天に期待して眠りについた。 藤田さんは『アルパインクライマーは夏用シュラフでないと!』と隣でガタガタ震えていた。

藤田:食事中に落ちてきた雪がテントを埋めた時は、「ひぃ〜流される!?」と生きた心地がしなかった。

2/12 TS6:20−7:10 pk2119−14:30北尾根ノ頭−赤抜−15:00 2530mTS
 『どどどどどどー』と雪が落ちてきて、目覚める。 量はたいしたこと無いが、寒い中、藤田さんがかいてくれる。 すみません、テント叩いただけで、そのまま寝ちまいました。
 今日は、できれば五竜山荘まで行きたい。 天気も良くなり、明るい?気分で出発。
 ところが、朝一から私、雪壁に泣かされ、ステップを崩してばかり…。 見るに見かねた藤田さんがピッケルを突き刺して、スタンスにしてくれて、何とか尾根にあがる。 昨日の夕方、ここを登っていたら、、、、どうなっていたことやら、、、、。

 尾根に出てからは、D沢南俣側は雪屁、口ノ沢側は急斜面で雪崩た跡ばかりのやせたスノーリッジをひたすらラッセルする。 深い所では胸まできそうな積雪。昨日の新雪が50cmほど積もっており、その下は硬い雪面なのだが、そこまでアイゼンが届かない部分はなんだかイヤらしい。

 『この雪壁を登れば、主稜線へ突き上げる部分が見えるかな』と期待しながら、ひたすらのラッセル。 ラッセルの合間に遠見尾根を見て、『寺ぽん頑張ってるかな?』と気を紛らわせる。 それにしても、今日は本当にいい天気! 澄んだ空に真っ白な雪稜が美しい。 おかげで、顔は真っ赤っ赤。

鹿島槍北壁

 途中、2ヶ所ほど急雪壁があり、ヘボヘボ朝岡は泣きがはいる。 だって、木は無いし、ステップは埋まってるし、あっても高いしなんだもん。 ←すみません言い訳です。 相変わらずヘタクソなピッケル使いで、右腕の筋はビキビキに痛んで堪らない。

 2300m付近のハングぎみの雪壁を藤田さんが正面から突撃する。 が、あまりにも怖すぎるので、左から回り込むことにする。 バサバサと雪をかき分け、這松を掘り出して、急な斜面をトラバースしていく。 回り込むと、所々木があり、ちょっと安心する。
 『ここを越えれば、もうすぐ主稜線だぁ』と勝手に考えていたが、まだまだ北尾根は続くのであった。 もう一段、急な雪壁があり、さわんちさんトップで突撃。 下部に細い枝、木が1本あるのみで、朝岡またしてもモタモタと必死の登り。

 ようやく主稜線が大きく近づいてきて、嬉しくなる。 見上げると、最後の合流部分は垂壁の様な雪壁になっており、『げっ!こんなの絶対ノーロープで登れない。最後の最後でこれ〜?』と不安になるが、その一段下で主稜線に合流していた。 よかった〜。
 主稜線上はめちゃくちゃ風が強く、テント張る場所があるか心配だったが、2530m付近の岩稜手前の信州側が吹き溜まりになっており、快適なテン場を確保できた。 暗くなるまで頑張れば、なんとか五竜山荘にたどり着けたかもしれないが、微妙な時間であった。


テントサイトより

 昨日の天気予報では『明日は晴れ』のはずだったのに、『長野県北部・中部山間部では雪』に変わっており、『明日は雪かぁ』とうんざりする。就寝前にテントの外に出ると、雪が降り始めており、強風がゴオゴオと唸り、またしても不安になる。とりあえず寝る。

2/13  4:00起床・TS5:55−7:35五竜岳−8:30/45五竜小屋−11:05大遠見先の下り口−12:25地蔵の頭―アルプス平=【ゴンドラ】=五竜とおみスキー場P14:00=(渋滞〜〜)=名古屋・本山20:00
 天気予報通り、雪は降り続いている。 しかも、今日は視界が悪く、10mくらい先までしか見えない。 おまけに激烈な風に吹き飛ばされそうだ。 半分目を閉じながら、よろよろと五竜に向かう。 信州側には小さいながらも雪屁が出ている。
 五竜からの下りは、結構に判りにくく、うろうろとしてしまう。 岩の踏跡、ペイントをたよりにほぼホワイトアウトの中を下る。 1998年末に縦走した時は、雪も少なく、天気もよかったので、大違いだ。 シラタケ沢側の枝尾根に迷い込みそうになる。 藤田さんは凍りついたあごと真っ白に曇った眼鏡で、大変だったらしい……。
 ようやく五竜山荘に到着。 山荘まで上ってきた人はほとんどいなかったようで、設営跡は1つしかなかった。
 ほっとするのもつかの間、遠見尾根の下り口がわからない。 右往左往し、(藤田さん雪屁を踏み抜き、焦る。←すみません、怖くて近づけませんでした) 視界がわずかにひらけた瞬間に、かすかに遠見尾根の枝尾根が見え、さわんちさんが先頭で下り始める。
 遠見尾根上部はいかにも雪崩そうで、間隔をあけて、静々と下る。 腰あたりまでのラッセルから、樹林帯に入ると、ようやくトレースがあらわれ始めた。 大遠見付近からわかんを履いてどかどかと下る。 朝岡、初わかんで、喜ぶのもつかの間、こけまくりながらの下山。
 さわんちさんは黙々とあっちゅう間に見えなくなり、藤田さんもそれに続いて下っていった。

≪感想など≫
朝岡: 私の冬山人生の中で、天気も雪も一番悪かった。 かなり、ぎりぎりの状態でした。今シーズンはまあまあ雪山にはいって、雪慣れしたつもりでいたけど、まだまだヘボヘボでちっとも安定しません。 でも、ふうふうと登って、後ろを振り向いて、尾根上にきれいにトレースが刻まれているのを見るのは、なんだか嬉しかった。 (晴れていれば…)ロケーションもいいので、雪が安定した頃に行くと楽しめると思います。 とにかく、さわんちさんは強かった。私も頑張らねば!
藤田:えぇなぁ〜とピンときた対象にすぐに取り付け、しかも予想通りのラッセルな尾根だったので久々に満足のいく山となりました。 人の気配が全然なかったのもよかった。 これで天気が良ければ鹿島北壁を愛でながらルンルンらっせるだったのに。。。