神ちゃんの 
北米日記2007 その1
 

ヨセミテ編


神林 裕

これがあのノーズ!
10/2
いよいよヨセミテでのクライミング!キャンプの受付をすませて9:30発でEL CAP BASEへ。アプローチの途中からはノーズを登ってるパーティが見える。格好良い!Sacherer Cracker(10a)を登ってるとき、右側のダイヒードラルルート?を登ってるパーティがハーモニカか何かを吹いていてとても楽しそうだった。Sacherer Crackerは最後のワイドで息が上がったけどOS。Moby Dick(10a)ではカムを下で使いすぎて上部でえらくランナウトして緊張した。ここの花崗岩は結晶が無くて滑りやすい。足も手も正確さが求められる。
成果:@Little John,Right 1P目(5.8 OS),ALa Cosita,Right(5.9 OS),BLa Cosita,Left(5.7 OS),CSacheler Cracker(5.10a OS),DMoby Dick(5.10a OS)

10/3
今日はNutcracker。1,2PはVar. (1P:5.9+,2P:5.8)から登った。1P目のvar.は足が滑りそうで怖かった。ランナウトはあるけれど簡単で気持ちの良いルート。頂上での休憩を含めて車−車で3時間。終了点からの景色が良い!下山後、Central Pillar of FrinzyとEast Buttress(Middle Cathiedral Rock)の取付を偵察をする。テントに戻ってから、Nutcrackerの駐車場にヘッドランプを忘れたことに気付き、1人で取りに行ったら一方通行道路のワナにはまり、えらく時間を消費した。
成果:@Nutcracker

10/4
Central Pillar of Frinzyは下降を含めて約3時間で終了。3,4Pは私が間違ってリンクして登ってしまった。ギリギリでビレイ点にたどりつけて良かった、良かった。2P目のフィンガーがルート中で1番難しかった。これはとても面白いルート!そのあと壁際に90m程移動してPee Pee Pillar(5.10a)をOS。これも☆☆☆!しかしロープを抜くときスタックさせてしまった。O平さんが登ってはずしてくれた。それとクマがでた。私たちから20mほど離れたところを悠然と歩いていった。
Camp4に戻って軽食を取ったあとNew Diversions Cliffに移動。ここはホールドがぼこぼこ突き出ている印象な壁。結晶は比較的荒い。Chiken Pie(5.9)の下部のフィンガーはグレードより辛く感じた。New Diversions(5.10a)は登っていて楽しすぎる☆☆☆ルート!夕方、Midnight Lightning(V8)を見学。完登している日本人がいた。

  Chicken Pie(5.9)

10/5
夜半から小雨。昨日Visitor Centerで天気予報を確認したときは晴れ予想だったのに・・・予定していたEast Buttress(Middle Cathedral Rock)を中止し今日はレスト。洗濯→シャワー→図書館(行ったら閉まっていた)→買い物してテントに戻ってもまだ昼ごろ。アメリカに来て初めてのコーヒーにありつく。ほっとする瞬間。夜になっても小雨降る。

10/6
快晴。Arch Rockへ。Midrterm(5.10b)は出だしがツルツルであえなくフォール。上部のワイドクラックも奮闘する。1日のはじめにやるにはキツいルートでした。Gripper(5.10b)を登ったあと、Reed's Pinacle Areaに移動。Stone Groove(5.10b)は易しめの10b。Lunatic Fringe(5.10c)は☆☆☆!色々なジャミングが出てくるし気持ちのよいクラックでした。夕方のCAMP4ではドングリがたくさん落ちてきます。
成果:@Midrterm(5.10b 2撃),AGripper(5.10b OS),BStone Groove(5.10b OS),CLunatic Fringe(5.10c FL)

 Lunatic Fringe(5.10c)


10/7
快晴。今日はCookie Cliffへ。Outer Limitsの1P目(5.10b)はカムの選択を誤り怖い思いをした。Cathy(5.10d)は易しめだった。O平さんはCathy Corner(5.11a)をOS。このルートは岩森さん情報のとおりロープが非常にスタックしやすい。かろうじてスムーズに回収できた。
Five and Dime Cliffに移動。そしてFive and Dime(5.10d)をOS!これはrealな10dと感じたのでOSできて嬉しかった。核心で抜けそうなシンハンドで体を上げていくと、ジャムがはずれてきたのでレイバックに切り替えて突破。夕食後のコーヒーを飲んでいたらあの有名なM裏さんがやってきた。
成果:@Outer Limits 1P目(5.10b OS),ACathy(5.10d OS),BFive and Dime(5.10d OS)

 Five and Dime(5.10d)

10/8
今日はSerenity Crack〜Son of Yesterday。取付−取付で約5時間。Serenity Crackの1P目は怖かった。ピトンスカーにエイリアンを半端にかまして登りました。3P目の10dは厳しいフィンガーでしたが短かったので、勢いで登ってOS。そのままSon of Yesterdayに継続。快適なクラックが続く。最後のスラブが一番緊張した。
昼頃CAMP4に戻りテントの更新。9日ぶりにヒゲを剃る。CAMP4のトイレのほとんど映らない鏡を見て剃ったので、多分たくさん剃りのこしがあるでしょう。ダウンもシュラフも外で干しました。穏やかな昼下がりです。ボルダリングトポを片手に散策。マット無しでできそうな課題をメモしました。
テントに戻るとパートナーのO平さんがクライミング止めて日本に帰ると言う。「・・・え、理由はなんですか?」「だってもうクライミングしないからここにいる必要ないでしょう」答えになってない。でも言い出したら聞かない人だから内心の葛藤はありつつ諦めました。原因は自分?それともO平さん自身?それすらも教えてくれません。まあ悩んでもしょうがないことは悩まない!
夕刻に2人でFresnoまでのドライブ。空港から1人で運転してCAMP4に戻ってきたのが夜中の0時頃。
成果:Serenity Crack〜Son of Yesterday

10/9
朝6時前に起床。ヨセミテロッジから岩森さんに電話。事情を説明すると案の定非常に驚いていました。@カムが足りなくなったので持ってきて欲しいカム、AO平さん分のタグを使えばタダでテントが張れること、B留守宅への連絡、等を打ち合わせる。電話のあと、眠たいのに眠れないのでEast Buttress(EL CAP)の偵察。Zodiac GullyからはEL CAPの壁が圧倒的に迫ってきました。

 
 ゾディアックガリーから眺めるEast Buttress       同じくNOSE

昼下がりはCAMP4でまったり過ごす。去年トランゴを登ったN門さんと知り合いになれた。15時過ぎからボルダリング。登れないV2(Ver's Werner)があった。
夕食は他の日本人クライマーと一緒に食べる。M田さんは森崎さんと大関さんを知っていた。特に森崎さんとは大学?の同級生とのこと。
成果:@TENDONS GIVE(V4),ALYN'S AWESOME ARETE(V3)

10/10
Mさん、OさんとCookie Cliffに行く予定だったが、夜半過ぎから強風時々雨。朝食をとりながらどうしようかなーと思っていると天候が回復してきたので、OさんとShortcircuit BoulderのShort Circuit(5.11d)を触る。クの字に割れたきれいなクラック。M裏さん、N門さんもやってきた。M裏さんのOSトライは、核心部でカムを落とし下から投げてもらったのを受け取ってセットしたあとにテンション。しかし核心部であれだけ留まっていられるのはすごすぎる。2回目でRP。N門さんも安定した登りで2撃。私は3回トライして1テンが最高。それからOさんと2人でCurry Villageのクラックボルダーに移動。M田さんにマットをお借りする。夕食はCurry Villageの食べ放題で久しぶりの満腹。
成果:Circuit Breaker(V2 FL)

10/11
晴れ時々曇り。M裏さんとPAT AND JACK PINNACLE AREAへ。昨日と同じく道路工事で20分ほど待たされる。Sherrie's Crack(5.10c)をOSしたあと、トップロープにしてM裏さんにフィンガージャムを教えてもらう。「リラックスして、ひじから先を動かさない」なかなかできない。難しい・・・このあとThe Tube(5.11a)をOS。このオンサイトは嬉しかった!足が滑りそうなレイバックで激しいパンプに耐えながらギリギリのオンサイト。このトライは満足できるものでした。Cookie Cliffに移動。M裏さんがButterballs(5.11c)にトライ。今日はM裏さんから色々な話が聞けた。教えられることがたくさんありました。テントに戻ると誰が置いていったのか机の上に「破獄」吉村昭があったので読むことにする。
成果:@Knob Job(5.10b FL),ASherrie's Crack(5.10c OS),BThe Tube(5.11a OS),CBeverly's Tower(5.10a OS)

10/12
くもり時々小雨。今日はレスト。洗濯してからシャワー。破獄を読み終わってしまった。Yosemite Villageの中をうろつく。アンセルアダムズの白黒写真をとてもキレイと思った。最新の天気予報を確認。今日の昼間と夜は雨の可能性が高い。明日のイーストバットレスは大丈夫かなー。万一の場合の代替案を考える。夕方6時ごろ、岩森さんたちがCAMP4到着。あいにく雨がパラつく天気でしたが、社長さんはヨセミテを気に入った様子。しかしこのあと雨が本降り・・・

10/13
快晴。岩森さんとCAMP4のボルダー散策。そのあとChurch Bowlに行く。岩森さんはChurch Bowl(5.8)とRevival(5.10a)をOS。私はChurch Bowl Tree(5.10b)で1テン。
Moratorium(5.11,4P)へ移動。偵察していなかったけれど迷わず到着。取付から眺めるMoratoriumは美しいクラック!一気にモチベーションが上がりました。1P目(5.10d)を岩森さんリード。私は荷物を背負ってフォロー。ビレイ点につくと岩森さんが非常に寒いので降りようというので懸垂で下る。


懸垂中の岩森さん。ちょっと顔が強張ってる?

時差ぼけか何かで体調が悪いのかも。今日のクライミングはNutcrackerでのんびり締めようと思ったら、激しく遅い先行パーティがいたので、ビレイポイントを借りて懸垂2回で降りる。クライミングとしては中途半端な1日でしたが岩森さんが喜んでくれたので良かったです。社長さんもヨセミテを満喫したとのこと。夕食は2人にピザやらソーセージをご馳走になり満腹。ご馳走様です!

10/14
快晴。岩森さんと社長さんはTioga Roadへドライブ。私はM裏さんとElephant Rockに行く。M裏さんも初めてのエリアとのこと。渡渉のあと薄い踏み跡と勘を頼りに取り付く。まずPink Dream(5.10a 2P)を登る。1P目は快適。2P目上部は内側が広がったプロテクションの取れないクラックで怖い。2P目の終了点のレッジから壁の反対側に2ピッチ懸垂(懸垂支点は要作成)してFatal Mistake(5.11a A1 3P)の2P目に取り付く。まず私がトライするが出だしのフィンガーであえなく敗退。リードをM裏さんに代わってもらう。「ギアが重たいー」と言いながら登っていきました。2P目もM裏さんリード。このルートはPink Dreamも含めて最近登られた気配が全くありませんでした。岩もガビガビで痛いくらいです。
帰りのドライブ中、夕陽を浴びたノーズがあまりに見事だったので写真を撮る。ブーツフレークの左にクライマーが見える。午後8時ごろになって岩森さんと社長さんがCAMP4に戻ってくる。紅葉が見事だったとのこと。ステーキをご馳走になる。2日続けてご馳走様です!
成果:Pink Dream 1P目(5.9 OS)

10/15
晴れのち曇り。岩森さんと社長さんは朝8時過ぎにCAMP4を出発。
テントの更新をしてからM裏さん、N門さんとCookie Cliffへ。まず私がWaverly Wafer(5.11a)をOS。核心のシンハンドを正対で登ろうとするが結局レイバックになってしまった。続いてM裏さんがButterballs(5.11c),N門さんがWheat thin(5.10c)を登る。そのあと私はHardd 1P(5.11a)をOS。M裏さんにオフフィンガーを教えてもらう。親指つけねあたりの筋肉が重要。人差し指〜小指は1枚の板のようにしならせるとのこと。
成果:@Waverly Wafer(5.11a OS),AHardd(5.11a OS)

10/16
曇り。11時ごろ、N門さんとI田さんがヨセミテを離れる。その際、大量のマット、鍋等をもらう。薄日が射すので湿り気味のシュラフを干す。昼寝して起きたら午後6時。小雨だけど夕食食べようかと思ったら机が無い。雨の当たりにくいトイレのひさし下に移動されていた。立って食べるつもりだったが、向こうから声をかけてくれて濡れずに夕食が食べれた。テントのなかでSUPERTOPOの「BIG WALL」を読む。

 こんなに頂きました。

10/17
小雨。今日もレストにする。M裏さんがFresnoに用事があるというので、暇だからD村さんと付いていく。Fresnoのあたりは晴れていた。用事を済ませて昼食をとっていると、偶然にREIを見つけたので覗く。はじめてトライカムを見ることができた。セットするのが難しそう。かなり迷った末に買わなかった。アメリカ全土のロードマップを買う。CAMP4に戻ると星が見える。明日は登れそうだ。

10/18
曇り時々晴れ。M裏さん、D村さんの3人でCookie Cliffへ。Harddの2P目(5.11b)にさわる。登れなかったけど核心は短いので、カムの決めどころとムーブを固めれば登れそう。CAMP4に戻ると同じサイトに日本人が2人きていた。S山さんとW辺さん。S山さんとは一昨年の正月に穂高屏風で会っていたことが分かる。T4取り付き下で宴会していたパーティだ。クライミングの世界は狭い。D村さんとも今年の冬の錫杖で既に会っていたし。

  
Harddの2P目(5.11b)をリードする私。   Crack a Go Go(5.11c)をリードするM裏さん。


素手で登ったらざっくりやられました。


10/19
晴れ。M裏さん、D村さんと3人でReed's Pinnacle Areaへ。なんとなく3人ともモチベーションが上がらずPhantom(13R)やChingando(5.10a)を偵察する。Chingandoはなかなかきれいなクラック。終了点の有無は不明。結局Lunatic Fringeを再登してから、腹の調子が悪いD村さんと別れて、M裏さんとRostrumに移動。ザレザレの樹林帯を降りていってKauk-lator(5.11c)にトライするが全く歯が立たず。オフフィンガーと全身のコンビネーションについて教えてもらうが難しい・・・自分の下手さに自信喪失。M裏さんはBlindfaceの1P目(5.11d)も登る。夕食はCurryの食べ放題。

10/20
朝方に雨。レストにする。洗濯とシャワー。アワニーホテルを見学しようと思ったが、週末のためか駐車場がいっぱい。無理して見学する気にもなれず、Tioga Roadに行く。素晴らしい風景。風が強く寒い。車を停めて外に出てもあまりに寒くてすぐ車内に戻ってします。ガソリンスタンドで給油し、ここで引き返そうと思ったら道路標識にBishopの文字が見えた。衝動的にBishopまで行くことにした。うねる荒野。彼方の山々。湖。古めかしい木製の電柱。快適な道路。Bishopでは現地のボルダリングトポを購入。そして一路Yosemiteに戻る。

 Tioga Roadの景色。寒かった!

10/21
快晴。M裏さん、D村さんと3人でThis and That Cliffへ。薄い踏み跡とケルンを頼りに15〜20分ぐらいで壁の基部に到着。あまりクライマーは来ていない様子。キレイなWhim(5.9)をD村さんのあとにフラッシュ。これをトップロープにしてM裏さんからTスタックを教えてもらう。が、全くできず。股関節が硬いなあ。
T-スタックのお手本を示すM裏さん

次にM裏さんがTips(5.12a)にトライ。出だし3mほどのフェースが12a、そこから上のクラックが11dとなっている。上部のクラックは非常に美しいフィンガークラック。私はTRで2回登る。ひたすら長いフィンガークラックで体力を使い果たす。つーかーれーたー。
成果:Whim(5.9 FL)

10/22
快晴。D村さんと2人でEl Cap Baseへ行く。Pine Line(5.7)をフォロー。ノーズのヘッドウォールが良く見える。Salathe Wallの1P目(5.10c)をOS。ダブルクラックの使い方が面白い。そのあとにMoby Dickを再登してとなりのAhab(5.10b)にTRを張る。Ahabの核心であるOWは全くできず。やぶれかぶれのレイバックで抜けるが、これじゃリードはできない。ワイドクラックは本当に難しい。昼間、CAMP4にはリン・ヒルが来ていたらしい。

Pine Line(5.7)をリードするD村さん。ノーズも良く見えます。

成果:Salathe Wall 1P目(5.10c OS)

10/23
快晴。M裏さんがCAMP4を離れるのを見送る。クーラーボックス、マット、食器、フリース、カラビナなど色々もらった。
そのあとD村さんとEl Capを眺めに行く。橋のたもとにいつもいるカメラマンにファインダーを覗かせてもらったり双眼鏡をお借りすると、ノーズ、サラテ、ゾディアック、ウォーターフロントなどにクライマーが見えた。特にカメラの倍率は相当なもので、支点の回収に苦労している女性クライマーの奮闘振りがはっきり確認できた。
夕食はビーフハンバーグ。塩コショウだけだと何か物足りないので、もらいものの醤油をかけると、これですよこれー!いきなりおいしくなった。やっぱり日本人だなー。East Buttress(Middle Cathedral Rock)に登りにいっていたS山さん、W辺さんが戻ってくる。余裕の登攀で16時には車に戻れたとのこと。とても楽しい登攀だったらしく2人ともご機嫌。

10/24
快晴。D村さん、S山さん、W辺さんの4人でEl Cap Baseへ。3人でLittle John,Rightを登る。私は既に登っているのでフォローする。W辺さんはカメラマンになっていた。非常に暑くてばてた。
一休みして私は見映えのするLa Escuela(5.11b)に触るが核心にも到達できずにエイドダウンする。D村さんがShort But Thin(5.11b)にTRを張ったので、触らせてもらうと案外ムーブを起こせる。S山さんのLa Cosita,Leftのトライのあと、ちょうど陽がかげってきたのでShort But ThinをリードでトライしてRP。黒エイリアンを持っていくのを忘れたので核心部で怖い思いをした。まあもし黒があっても怖いのは同じか。

 Little John, Right

ヘッドランプを点けて下山。途中でレンジャーに会う。こんな時間までご苦労様ですね。夕食はD村さんとCurryでピザ。ラージを頼んだら食べきれず、残りは明日の朝食とする。ほぼ満月で明るい夜空。CAMP4裏の岩壁が月光に美しく映えていた。
成果:Short But Thin(5..11b 2撃)

10/25
快晴。D村さんと2人でGenerator Crack(5.10c)をTRで登る。ヘトヘトになりながらも何とかノーテンで抜ける。しかしリードはしんどいだろうなあ。D村さんは明日早朝にCAMP4を離れるので本日のクライミングは午前中に終了。私にとってもヨセミテ最後のクラック。
CAMP4に戻って、今までに頂いた品物の整理してからD村さんとシャワー→洗濯→アワニーホテル見学→アワニーボルダー見学をした。アワニーのソファーは柔らかすぎて尻がうまる。D村さんとは最後の夕食。S山さんとW辺さんも明日午前中にはCAMP4を離れる予定。寂しくなる。

10/26
快晴。起きるとD村さんは既に出発していた。午前中はS山さん、W辺さんと買い物。アンセルアダムズの絵葉書を買った。暇を見つけて家にでも送ろうか。正午に2人を見送る。何か気が抜けたような体が疲れているような、午後はまったり過ごす。2時間ほどボルダリング。Battle of the Buldge(V6)にトライ。面白い課題。


下部のガバフレークからカンテを登るのがBattle of the Buldge(V6)

夕方に岩森さんにTELすると、H内さんのインディアンクリークの予定が11/3〜11/23であることが分かる。11月中旬と聞いていたけど案外早く来るらしい。28日にYosemiteを離れてBishopにいくつもりだったけど予定変更して10/31までYosemiteにいることにする。

10/27
くもり。1ヶ月の疲れがたまってる感じがしたので、軽くボルダリングして過ごす。1人だと気分が内省的になりがち。何となくダウナーな1日。

10/28
夜中に少雨。朝、受付で日本語が聞こえると思ったら3人組のボルダラーだった。男性2人、女性1人。1週間の予定らしい。9時半ごろCAMP4を出発してFresnoへ。レンタカーを返して新たに借り直す。夜、Y田さんと話す機会があった。カリフォルニア在住。印象どおりのダンディーで頭の良い人。明日ボルダリングマットを借りれることになる。

10/29
くもり。CAMP4周辺でボルダリング。アップのつもりのスラブのV1が登れず。うーん。次に3時間ぐらいかけてBlue Suede Shoes(V5)を完登。スラブだけどきちんとムーブがあって面白い。つぎはBattle of the Buldgeだと思いながら休憩していたら急に雷雨。1時間ほど続く。岩もしっかり濡れてしまったので、Mountain Shopに行く。
クラック用シューズのソールが無くなってしまったので新しく買うことにする。Bishopの店なら1週間ほどでリソールしてくれるらしいけど、今の私にはその時間が無い。ACOPA(http://www.acopausa.com/)というメーカーのAztecを購入。足入れが良いし、ミウラより30ドル近く安い。John Bacharがデザインしているらしい。

 Aztec(ACOPA)。オーソドックスな靴です。性能は未知数。


夕食はY田さんとU田さんと3人。Y田さんから、物理の話とか世界旅行とか東海地方にいたころの話とかを聞かせてもらった。夜半から再び雨が降る。

10/30
晴れ時々曇り。ブルーシートやらなにやらを日向で干す。日本から来たボルダラー3人組も日向ぼっこしていたので話しかけてみる。V7〜V9あたりをさくさく登ってるらしい。3人とも陽気で親しみやすい。一緒にAmente Arete(V5)をやる。ムーブを教えてもらうけど登れず。同スタートから直上するライン(推定V3?)もムーブを教わりながらやるけど最後の一手がびびって出せず。
エリアを移動するという3人と別れて、私は明日の出立の準備をする。時間が余ったので1時間ほどBattle of the Buldgeをやる。先に来ていた2人組のムーブを盗ませてもらったらかなり楽になった。前回より1手先に進めることができた!
夜は1人で夕食。明かりを消してビールを3本空ける。星空がきれい。どこかからギターの音色が聞こえる。これがヨセミテ最後の夜かと思うと寂しくなる。

10/31
快晴。7時に起きて荷物を車に積み込む。日向でテントを乾かしている間、再びBattle of the Buldgeにトライ。リップ1つ手前のホールドをマッチできた。1日1手ずつ進んでいるが、ここで指出血&時間切れで終了。今度ヨセミテ来たときには登りたい!余ったビール2本をボルダラーのS木さんたちのテントにメモ付で置いていく。

一ヶ月滞在したCAMP4も見納め

12時CAMP4発。さよならヨセミテ。来年は来れるかな。あらためてノーズを見上げる。もうすごいと眺めるだけではない、今度来るときはクライマーとして眺めたい。
Tioga Road経由でBishopに向かう途中、D村さんに教えてもらったHot Creekをしばらく探すが諦める。もっと時間があればなあ。久しぶりに肩までお湯につかりたかったのに・・・
明るいうちにPlesant Valley Campgroundに到着。トイレと手押しの井戸があるだけのキャンプ場。ハワイから来たという怪しげな老人から薪を買って焚き火して就寝。

                    ・・・・・・・その2につづく・・・・・・