東海山岳会 国内山行



日程4月27日~29日
メンバー 千田、大関+ローツェ隊(北村、山本)
記録 大関

ローツェ隊のメンバーと不帰に行ってきました。予想以上に雪が少なくて手応えは
今一歩でしたが天候にも恵まれて春のアルパインクライミングを満喫してきました。

27日 朝7時半に八方の駐車場に集合。スキー場の下部はもう雪は殆どなく白馬も春めいていたがゴンドラは最後まで雪を求めるスキーヤー、ボーダー達で賑わっていた。
八方尾根はもともと風が強く吹き溜まり以外は雪が付きにくいこともあり半分近く夏道が露出していた。おかげで丸山から唐松沢への下降する尾根は笹薮になっており雪のある場所まで戻ってから下降する。    
1峰尾根末端は完全に岩が露出しており左から回り込んだルンゼを詰め尾根上に出る。藪になったリッジを右から巻き崩壊しかけたスノーリッジを2Pで開けた台地へ。ここから目の前の断壁が良く見える。先行パーティが4人ほど壁に取り付いているがなかなか苦戦しているようだ。
シュルントが至る処で口を開けているので慎重にスノーリッジを進む。3時前に断壁手前のリッジに到着。苦戦している先行パーティを尻目に幕営作業。午後の日差しを浴びながらテントの中で寛いだ。

   断壁手前の雪稜をゆく

  朝の1峰尾根と不帰稜線
28日 3時半起床、5時出発。雪の多い年には断壁半分以上埋まっているらしいが今回は完全な壁になっており山本さんがトップで登るがハングの抜け口が厳しそうだこれを超えるとしばらく雪壁が続くはずだが半分近く藪登りになってしまった。
3Pで雪壁(藪壁?)を越えると見事なスノーリッジが続く後ろを振り返ると登ってきた1峰のリッジが見渡せる。リッジを詰め最後の雪壁となるはずだがここも藪壁になっており萌黄につかまりアックスを叩こんで這い上がる。
11時前に2峰稜線に到着。
ここから先行パーティと抜かし抜かされつつ唐松方面に向かう。
夏道は途中2箇所ほど崩壊しそうな雪で埋まっており慎重に進む。2峰手前で登攀予定の西壁を偵察するが全く雪がなく完全にフラットソールの世界で20年ぶり?の登攀は諦めることに。
午後1時半唐松岳手前d沢のコルで平坦な雪面に幕営夕方から風が強くなり夜は寝つきにくかった。


29日 次の日から天気下り坂なので2パーティで3峰を登ることに。大関、北村でA尾根、千田、山本でC尾根に取り付く。数々の厳しい山行をこなしているガイドの北村さんとザイルを組むのは少々緊張したがお互い煩悩に毒されていることでは気が合い登攀中下ネタを連発しながらザイルを伸ばす。
3峰も同じく雪が少ないので崩壊しかかったリッジや傾斜のきつい雪壁では雪ごと崩壊しそうで怖かったがA尾根は壁の要素が強いので新調した前爪を頼りにA1のピッチもフリーでグイグイ登る。この時期だと薄手のグローブで登れるのが助かる。
10時半3峰の稜線に出てテン場に戻り撤収作業。
山頂で記念撮影して八方尾根をガーッと下る。
午後一時半過ぎにゴンドラ駅に到着。
スキーヤーの物珍しそうな視線を感じながらスキー場を後にする。駐車場まで戻り温泉に
浸かって北村さん達と別れ帰り際半年ぶりにさつまラーメンに寄って帰名。


感想
やはり雪が少なかったのはちょっと残念。雪の多い年であれば雪壁、壁、ナイフリッジ、キノコ雪と雪稜登攀の内容が凝縮されているので醍醐味ある登攀が楽しめそうです。来年もう一度行きたいです。

 C尾根の報告と感想(千田)
今年は残雪が少なく、C尾根の末端からは取り付けなかった。(カム・アブミ等あれば別。)
一つ岩峰を越えたところのコルからスタート。チムニー、雪壁でロープを出す。そのあとはだらだらとした雪稜、雪面が続きちょっと物足りない。頂上手前2ピッチは、わざと、難しそうなラインを選んで登っていった。横を見ると大関パーティが、えらく急峻なところを登っていて格好いいこの時期のⅢ峰のルートはどこからでもエスケープできるので、会山行として定着で来てもいいところだなと思った。

不帰Ⅱ峰西壁は、以外や以外に大きく滝谷的な雰囲気でした。メインの第一尾根はもう少し暖かい時期に、フラットソールできたい。
ずっと憧れ、思い入れも深いⅠ峰主稜は、時期的な物足りなさがあったものの、やはりビッグルートで面白かった。気合を入れて写真をとるつもりだったが、黄砂で汚れた雪面は割れブッシュも出ていて、気持ちは萎えてしまった。やはり3月にもう一度来たい。
とりあえず、今シーズンの雪山はこれでほぼ終了。まずまず納得のシーズンが過せたことに感謝


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