延び延びになっていた新婚旅行でしたが今回ようやく行くことができました。 しかも憧れの南フランス! 10月ということで天気が心配でしたがおかげさまで天候にも恵まれプロヴァンスの自然に囲まれクライミングと歴史ある町並みを堪能してきました。 では早速ご報告を! |
9月29日 嫁さんの実家から名古屋空港は車で約5分! 早朝の便でも慌てなくてもいいのがありがたい。 嫁さんのお母さんに見送られながら国内線でまずは成田へ。 何回も海外に行っているが成田は初めて。馬鹿でかい空港ロビーで必要そうなものを買出し先にユーロ両替を済ませ出国手続き。 パリのシャルルドゴール行きは11時20分発。 これから長い空旅の始まりだ。 6時間位までは時間を潰せるがその後は結構苦痛…馳星周の長編小説も読み終えてしまいその後は不貞寝する。 12時間後、現地時間で夕方の4時半頃パリのシャルルドゴールへ到着。 ここからはパリを横断して明日マルセイユへ発つオルリー空港側のホテルへ向かう。 嫁さんはドゴール空港内で換金したがレートが悪かったらしくかなりショックを受けていた。 オルリー行きのバスで揺られること1時間、空港からホテルは歩いて行ける距離だったが30キロ近い、しかも背負い心地最悪のノースのダッフルバックでは即効で腰痛… チェックイン済ませ落ち着いてから食事を取ったが流石に長旅の疲れから即効で寝てしまった。 |
9月30日 朝起きるとまだ外は暗い。この時期のフランスの夜明けは8時前位らしい。 取りあえず朝食と取るとバスにのり空港へ向かうが間違えて南ゲート行きのに乗ってしまい500メートルほど歩いて西ゲートへ移動。 のんびりしていた為結構出発ギリギリになってしまった。 エールフランスのマルセイユ行きに乗り込む。 いよいよ南仏だ。 1時間ほどでプロヴァンス空港に到着。 空は快晴で暑い位。早速空港外のHertでレンタカーの手続きをする。 車はルノーの1,6リッター。 |
ディーゼル車で燃費はいいのですが慣れな いマニュアルと左ハンドルでケッコ大変で した。 |
一路滞在地のボニューへ向かうが慣れないマニュアル車で左ハンドル…しかも現地の車はみんな飛ばすの何の! すぐに呷られてこっちにゃエライ迷惑だ。 嫁さんはオイラの慣れない運転に仕切りに悲鳴をあげていた。 高速のA7をCavarionで降りAPT方面へ向かう。 騒がしかった街中から一気に田舎の風景が広がる。 昼過ぎボニューに到着。なんとも小さな町だが古い建物と教会が南仏の歴史を感じさせ落ち着けそうだ。取り合えず車を駐車しOffece de Turisemの受付へ。 嫁さんは久々のフランス語で緊張してるみたいだったがちゃんと通じてるらしく受付のねーちゃんも親切に対応してくれた。 普段は何しても亀のようにノンビリ屋の嫁さんだがこういう場所では非常に助かる。 さすが仏文出身!今更ながら尊敬してしまった。 しかし予め目星付けていたマダムネグランさんのアパートはどこも埋まってるらしく駄目… 他にお勧めの宿をあたってみるが不在みたいでどこも駄目。 |
アパート(GITE)は昔のレンガ小屋をそのま ま改装したような作り。 |
取り合えずもっかいツーリズムに戻って聞いてみるとネグランさんの息子さんがやっているアパートなら開いているらしい。 直接交渉ということでムッシュネグランの職場へ向かうと奥さんが来るまで待てとのこと(旦那は自動車整備をやっていてどうやらアパート経営は嫁さんに任せているらしい) 夕方頃赤ん坊を連れた女性がやってきた。 ムッシュネグランの嫁さんのようだ。 |
挨拶をして取り合えずアパートに連れて行ってもらう。 ともかくこれで宿は落ち着いた。今日は疲れたので町のピザ屋に食べに行くことに(嫁さんの提案で外食は1日おきとなった) 注文したピザとサラダ デニソワーズ(ニース風サラダ)は凄いボリュームでおいしかったが昼頃から腹の調子が悪く下痢気味のオイラはあまり食べれず残念… |
結局岩場に出かけるのは昼前になってしまった。(次の日から洗濯は夜やることにしたがそれでもノンビリ屋の嫁さんに合わせていたのでどっちにしろ毎日岩場に行くのは昼前位になっていたが…) Buouxはクライマーなら誰しも耳にしたことがある西洋のフリークライミングの草分け的存在の岩場である。ボニューから車で15分ほど走ると高さ100メートルから200メートルの、幅1キロ近くある渓谷の岩壁である。
最高グレードは8C(5,14b) かの有名なLa rose et le vampire(8b)などもここにある。 駐車場に着くと赤茶けたその岩場にしばし見とれていたが取り合えず適当にエリアを選んでみることに… まず壁の中心あたりにあるLa Fakirへ。 高さは100メートル以上ありそうで上まで抜ける4P程のルートもある。 6b+(5,10d)辺りでアップするがいきなりのスラブでかなり必死。 それにしても長い… どのルートも30メートルかそれ以上ありオイラの60メートルロープでも足りない位だ。 しかも暑い…、もう10月なので寒いかと思いダウンまで持ってきたが裸で十分、これでは日中日の当たるエリアはぬめって厳しい程だ。 嫁さんは看板ルートのLa Fakir6a+(5,10b) その後オイラは隣の6c(11a)トライするが途中蜂に刺されて強制下降。 ポイズンリムーバーで傷口から毒を抜くが腫れてしまうのは必死そうだ。 去年のヨセミテでもそうだがそうやら海外に行ったら蜂に刺されるのが定番になるらしい。 まあ今日のところは登るのに支障なさそうなので同ルートを登り直す。
テキパキと野菜を刻み、パスタを茹で、肉を焼く。 嫁さんは「普段自宅では毎晩夕食料理作ってるからこういう時位食事作ってくれ!と言い出すかと思ったケドフランスに来てまで嬉しそうに料理作る人とは思わんかった…」 と半ば有難そうに呟いていた。 |
丁度お手ごろのルートも隣のエリアも含め多いのでここに通うことにした。 帰宅後夕食を取り、今日は疲れたのでバスタブに湯を張って風呂にしたが(後で気づいたが)ここのお湯はボイラー式。つまり一定量お湯を使うと数時間経ってからでないとボイラーの湯が沸かないため水しか出ない。 オイラが風呂から出た後は既にお湯は使い切ってしまい嫁さん入る頃には水しか出なかった。 当然「あんたがあんなにお湯使うからよー!(怒)」 とそれからどうなったかは思い出したくないが… ともかく次に日からはお互いシャワーのみにすることにした。 |
歩いて5分、Volx La Grotteに到着。 人気ルートには多くのクライマーが取り付いている。 目星付けていたCharel de goal 7b(12b)、Hueco 7b+(12c)も凄い被っていておもしろそうだ。 一通り観察すると夕焼けを正面に受けながらMANEの町で土産を買って帰路についた。 |
10月4日 TCFエリアへ。まだ昼前だけあって日が当たって暑い。 左端の6Cでアップすると壁中間部にあるLa cage aux orchidees 7bに取り付く。 下の部分は変化あっておもしろいが中間部の細かい部分のムーブがどうしてもこなせない。 結局2回トライするも駄目。
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10月5日 朝方いつものようにパンと肉を買い出して町を出ようとすると町入り口のロータリーで日本人らしき男女とばったり。 こっちに来て初めての日本人だ。同じ会社仲間同士で旅行に来ているようだがやはりこんな田舎町で日本人に会うと嬉しい。明日はレストの予定なので一緒に観光する約束をして別れた。
この日は結構早めに上がりAPTで買出しをすると今朝方肉屋で買った豚肉をステーキに! ベシャメルソースのパスタとワインも加えて豪勢な夕食。 |
10月6日 レスト。 朝10時にロータリーで昨日出会ったHさん達と待ち合わせ。ついでに日本へ送る土産類をまとめる為, 郵便局でAIREXPOTR(定形外郵送用パック)を購入。最終日に宿泊予定のパリのホテルにFAXを送ってHさんたちをBUOUXに連れて行く。
歴史的にも色々な逸話が残る名所で泉も澄んで深そうだが深度用の鉄板などが目に入りちょっと幻滅。 車に戻る頃には雨が降り始めた。明日の天気がちょっと心配。 夕食はHさん達とピザ屋で取ったがこの日は非常に混んでいて食事が来るのにかなり待たされた。酒があればまあ気にならないのだがアルコール抜きで食事に何時間もかけるのはかなり辛い。 |
下部の傾斜は鬼岩のハイカラと同じ位だがガバガバで一気に核心まで詰める。 傾斜が緩くなる辺りでヒールフックをかけて乗り越すのだその後のホールドが甘く、岩の至るトコにチョークが付いていてどれが正解ホールドなのか分からず初回のトライはダメ。 ムーブが分かると後は気合で2撃、12bにしては易しめで鬼岩のFIARSTと同じ位。
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10月9日 今日はマルセイユに観光。11時前出発。AIX AN PROVANCE経由でマルセイユ方面へ。 途中迷いながらロータリー(フランスでは交差点が少なく交差、分岐点は殆どロータリーになっている)をグルグルして昼過ぎにエクスに到着。 嫁さんはこの街でお土産にCalissons de,auxを買う予定だったらしいが初めての街でどこにそれが売っているのかも全く分らない。オイラは基本的に街が苦手、しかも慣れない運転で長時間ここにいるのもおっくうなので取り合えずマルセイユに向かう。 2時過ぎマルセイユに到着。フランスでも有数な都市だけあって凄い人ごみと車で迷いながらも観光地の旧港に着く。
どうやら別駐車場に停めてしまったらしい。 もう日暮れが近いのでボニューに戻ることにする。 夕暮れでごった返したマルセイユ市内の渋滞を抜け高速に乗る頃には既に真っ暗。 CAVALLION分岐のロータリーにあるマクドナルドで夕食を取ったがどこの国でも外食産業は若者達の主食らしく凄い行列だった。 結局アパートに戻ったのは午後10時。丸一日の運転でヘロヘロになって全然レストにならなかった。当初CALANQUESにも登りに行く予定だったが当然そんな気は失せてしまった。 |
10月10日 疲れが取れないせいか朝起きてもしんどい…。クライミングは午後からにする。 朝土産屋でブラブラして昼は近くのレストランに取りに行く。 フレンチのランチに嫁さんはご機嫌。
帰り際上のピザ屋に立ち寄ると無理にお願いして地元のワインをボトルに詰めてもらった。 取り合えず夜の楽しみは無くならなくてすんだ。 明日はクライミング最終日。もうちょっと頑張れるといいケド。 |
10月11日 今日はクライミングの最終日。生憎空は曇っていて雨も降りそうだ。 昨日と同じくReveへ。 月曜なのに何故か岩場は込み合っており親子連れが多い。 この国では家族でクライミングを楽しむのが定番のようだ。 取り合えず昨日のルートをリベンジ。 パワーもいるがどっちかというと小さなポケットホールドやくぼみに足を押し付けてスメアっぽい足使いを重視しないと登れない。 クライミングが足の置き方やバランスが重要ということをよく思い知らされる。 そういう意味からもこの岩場がフリーの草分け的な存在であることが分かる気がする。
12aのオンサイトは初めてだったのでやはりうれしい。 父ちゃんも「ナイスファイトだった。」と褒めてくれた。 しばらくするとポツポツと雨が降り始めた。 30分ほど待機するが結構本格的な降りになってきたので諦めて降りることに。 雨でぬれ始めた岩場を名残惜しそうに眺めBUOUXを後にする。 アパートに戻ったのは午後4時頃。 夕食にはまだ時間があるしそろそろこのアパートからも引き上げなければならないので今のうちに片付けをする。 ドタバタしてたら夕方になってしまった。 シャワーを浴びいつものピザ屋に行くが月曜休みらしく閉まっており上のピザ屋へ。 前あまり食べられなかったサラダ デニソワーズを平らげることができ満足。 帰り際町が一望できる道端から夜景のボニューを眺める。 もうお別れだ…やはりちょっと名残惜しい。 |
10月12日 朝食を済ますと部屋の後片付けを始める。 新婚旅行で借りた宿のトイレ掃除や風呂掃除をするのもなかなか出来ない体験だろう(笑) コンロの周りも綺麗にして一通り片付くと宿を後にしムッシュネグランのトコに支払いを済ませに行く。 旦那は相変わらず車にかかりきりでアパート経営にはノータッチ。奥さんに電話をかけ「宿代幾らだっけ?」と聞いていた。 昼前ボニューを後にして一路空港へ。 A7の高速に乗る頃には雨もポツポツ振り出してきた。 1時半頃Provance Airportに到着。近くでガソリンを満タンにするとまずレンタカーを返却。 ここからは自力で重たい荷物を運ばなければならない。 2時過ぎ空港内で遅い昼食をとると土産を物色する。 空港内の本屋にこちらのクライミング雑誌「VERTICAL」が置いてありBUOUXの特集が。 先に買っておけばよかった。よく見ると表紙は昨日オンサイトしたCourage fuyons。 何か嬉しい。
味もなかなかでオーバーリアクションのマダムが面白かったがつい飲み過ぎてヘベレケ。 |
10月13日 パリは朝から曇り。 しかもかなり寒い。遅い朝食をホテル内で済ませチェックアウトすると荷物を預かって貰い市内へ繰り出す。 取り合えず嫁さんお勧めのAU-VIEUX-CAMPEUR(アウトドア用品の専門街)のあるカルチェラタンへ。
店を後にするとパニーニをかじりながらアウトドア専門の本屋へ立ち寄る。 クライミングのトポ専門のコーナーがありその種類と量にはさすがクライミング大国という他はない! 散々物色したせいで折角のパリ見物も殆どせずに(結局、大聖堂もエッフェル塔も見れなかった) 地下鉄を乗り継いでホテルに戻る。 ここから空港行きのバスに乗りシャルルドゴールへ。 出国手続きをして土産を買い貯めるとロンドン経由で一路成田へ。 |
10月14日 日本時間の3時過ぎ成田到着。 ようやく日本だ!と気が晴れるが嫁さんは飛行機で殆ど寝れなかったのかしんどそう。 旅慣れしているオイラが羨ましいのかえらく機嫌が悪い。 国内線に乗り換え名古屋に着いたのは夕方の6時過ぎ。日本もすっかり秋模様で寒い位だ。 嫁さんの実家でお母さんに秋刀魚の塩焼きと焼肉、茶碗蒸しをご馳走になる。 2週間ぶりの日本食はやはり最高。 明日から現実、欲をいえばもうちょっと登りたかったなー… |
感想 初めてのフランスの岩場。まだまだ登り足りなかったし他の岩場にも行きたかったですがそれなりに充実しました。 岩のスケールと質はやはり素晴らしいものがありますね。 一応新婚旅行なのでそうガツガツ登ることは出来ませんでしたが楽しい2週間でした。 南仏では特に歴史や文化を感じさせる建物や生活が体験できてこれも印象に残りました。 それから海外では英語Onlyのオイラにとって現地コミュニケーションは嫁さんにすっかり世話になってしまいましたが次回行ければ(行けるのか?)少しは仏語も勉強してからにしたいものです。 情報提供で色々とお世話になった横浜の木村さんには大変感謝しています。 ありがとうございました。 さあそろそろアルパインモードに切り替えるか? |