Mt.Arapiles Report

27.Apr-6.May 2002

H&S. Izuchi



ジャイアントコアラ

ビクトリア州の季節は秋。麦の収穫は終了し、牧草も枯れ草色で、どこまでも荒涼たる原野と青空が広がっていた。朝焼けはやわらかく、夕焼けは素晴らしい。暑過ぎず寒過ぎず、クライミングには良い季節に滞在することができてとてもラッキーだった。


Hurts(18)
アラピリーズでのクライミングは、今までに行ったことのあるどのエリアとも違っていた。ほとんどのルートには、ボルトが打たれていない。クラックがあまり走って入ないルートにもボルトがない。終了点にも何もない場合が多い。しわや窪みにRPやナッツをセットする技術が要求されているようだ。途中プロテクションが取れない(=落ちれん)ルートも多い。世界中のクライマーがここを訪れ、ここでのクライミングを楽しみ、そしてここでの登りを覚えて帰っていく。今回の滞在は短かったけれど、毎日とても刺激的なクライミングを体験できた。そしてもちろん、キャンプ生活もとても快適だった。アラピリーズのキャンプ場にはカラフルな鳥がたくさんいる。白と黒のペンギンみたいな鳥もいて、重そうに飛んでいる。そいつらが朝6時ごろになると、いっせいに鳴き出し、まだ暗くても朝になったことがわかる。アラピリーズでの一日はこうして始まる。(文:ひ)


Pilot Error(20)
★ 以下、特に印象に残ったルートのみ報告                  解説(グレード/リード&フォロー)


Bard ☆☆☆ 1p〜5p(12/1p3p5pひ、2p4p伸)早朝より三ツ星のマルチを登る。
ルートの途中に黒く光る大きなうんこのような物があり、勇気を出して触ってみた(ひ)。
それは間違いなくうんこだよ(伸)。終了後は、秘密のアリババケーブをくぐって下降。岩の中は真っ暗だった!(ひ)
Missing Link ☆☆☆(17/伸&ひ)最も印象に残ったルート。とてもランナウトする。フォローで登ったあとに、何度も眺め、リードしようかどうか迷い、結局こわくてあきらめてしまったルート。(ひ)
Thunder Crack ☆☆☆(21/伸&ひ)
5.10代のクラックとしては、私がこれまでに登った中でも最も前傾した物であり、最もおもしろいルートの1本でした。荒荒しく前傾して行くクラックを下から見ているだけでも充分気持ち悪くなります。(伸) 


Kachoong(21)※ぱくり写真
Muldoon ☆☆☆ 1p(13/ひ&伸)2p(12/伸&ひ)岩がまるまるしているので、マルドゥーン。(ひ)
Pilot Error ☆(20/伸&ひ)瞬間芸みたいなルートで楽しかった。毎日登りたい。(伸)
有名なガバまではとどかず、、、ヌンチャクにぶら下がっていました。(ひ)
Watchtower Crack ☆☆☆1p〜4p(16)写真集によく出てくる有名ルート。とてもワイルドな内容でした。(ひ)
なぜに、この私が5.8のクラックでかくもボロボロになっているのだろうか?まあ、寒々ルートみたいなワイドのレイバックが60m続いているのを想像して下さい。(伸)
Hurts ☆(18/ひ)やったー!今回の自己最高18が登れた。このルートはルート図にケチューンのウォーミングアップ用とあった、、でもいいもん。(ひ)

Kachoong ☆☆☆
(21/伸&ひ)ラスト2日となり、「俺はこれを登りに来たのだ!」と井土氏、しぶしぶつきあいました。(ひ) 1日目、激落。2日目、ちから尽きた…。(伸)
Mari ☆☆☆(17/ひ&伸)ケチューンにつきあった後は、私の登りたい所へ連れまわしました。(ひ)
Suface to Air ☆☆(17/ひ&伸)連続17ゲット!ようやく調子が出てきたのに、明日はもう最終日。もっといっぱい登りたいよ〜。ガバの続く楽しく気持ちのいいルートでした。(ひ)


Watchtower Crack(16)
Lamplighter ☆☆☆ 1p〜3p(14)すっかり疲れきったものの、最後にまだ行っていない有名エリア「PHAROS」を訪れ、数ある三ツ星の一つを登りました。ここで、Punks in the Gymなど歴史的ルートの説明を井土先生から聞き、アラピリーズでのクライミングを締めました。(ひ)




Mt.Arapiles 全景