東海山岳会 国内山行

2017/5/10

「2/18-19 戸隠P5稜」  山行報告 冬季登攀
ひじょーに遅くなって申し訳ありません。
GWも終わったのに2月の記録です。
おかげさまで忙しくこんな時期になってしまいました。

iwaとtokuで戸隠のP5稜へ行きました。
最近はアイスクライミングやミックスクライミングなんかが流行りですが、僕は雪と戯れる雪稜の方が好きです。
いうなればスノークライミング?
本当はもっと行きたいんですが、なかなか雪稜に付き合ってくれるパートナーもいないのでいつものtokuを誘って行きました。

2/18
日が変わるころに名古屋を出発して下道ドライブ。
5時半ごろに戸隠の品沢高原別荘地に到着。
除雪の邪魔にならなさそうなところに車を停めて準備を整える。

日の出と共にスタート。
天気予報では天気がもつのは18日と19日。
20日からは雨予報になっている。
前日の17日の雨を心配したが、雪は締まっていて歩きやすかった。
先行者のトレースが残念だが、言っても仕方がないので大沢出合まで林道歩き。

40分程で大沢出合に到着。
沢筋の雪も良く締まっていてデブリも見当たらないので大沢をしばらく詰めてPⅡ-PⅢのコルを目指すことに。

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大沢出合からP5稜を眺める

1時間半でコル到着。
コル直下の20mくらいは雪壁だった。

PⅢまでは左側が切れ落ちた雪壁を登る。
特に悪くなかったが傾斜は強い。
トレースは消えていてラッセルになる。

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PⅢからPⅣへ

PⅣまでは特に危ないところはなく傾斜の緩い尾根上。
ここからが核心部となるのだが、今後の天気や状況を相談して荷物をここにデポしてアタックすることに。
デポして軽くなったザックでLight&Fastで再スタート。

PⅤまでは傾斜の強い雪壁。
岩の基部に空いた穴が雪で隠れていたりして新調に進む。
ロープは使わず。

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PⅤの雪壁 結構なラッセル

PⅥは尾根上を登る。
特に危ないところはなく難なく通過。

核心のPⅦ
岩壁の基部から5mほど下ったところの立木でビレイ点を作成。
iwaリードで突っ込む。
といっても岩壁は登れないので基部から左に巻いていくが、傾斜が強い上にプロテクションも取れず緊張のクライミング。
親指ほどの細い木に気休め程度のプロテクションを取り、草付きなのかただの岩なのかわからないところにアックスを打ち込みトラバース。
10mほどトラバースしてルンゼに入る。
ルンゼは雪が締まって快適。
45m伸ばしてビレイ。

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このあとのトラバースが悪かった

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ロープが足りずルンゼの途中でビレイ

次はtoku
右に伸びる傾斜の強いルンゼか迷うが、まっすくルンゼを詰めてハングした岩壁のキノコ雪をトラバース。
足元には100mの空間が広がる。
おそらくこのルートのハイライト。
雪が少ないとかなり悪そうなトラバースだった。
30m進んで立木でビレイ。

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ハイライトのトラバース 雪壁というよりはキノコ雪だった

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ビレイ点から

すぐにPⅧ。
iwaリード
ここも左側にトラバース。
5m程だが。PⅦよりも傾斜があり、気休め程度のプロテクションも取れない。
トラバース後はブッシュの生えた雪壁を40m登る。
欲張らずにトラバースしてピッチを切るのが無難。
ロープが重くて疲れた。
50mいっぱいで立木をビレイ点に。

あとは稜線上までラッセル。
最後にちょっとした雪庇があったがかわいいもの。

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稜線直下の雪庇

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完登イエーイ

ゆっくりはしていられないのでそそくさと下山開始。
PⅧはビレイ点に使った立木から懸垂50m。

PⅦは一度ピークに登り、スタッフバッグを埋めて懸垂30m。

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懸垂するためPⅦピークへ登り返す

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スタッフバッグ懸垂 何度チェックしても不安・・・

あとは普通に下るだけ。
PⅤの雪壁はクライムダウン。
立木もないし懸垂するならスタッフバッグを埋めるしかなさそう。

PⅣまで戻り17時30分。

休む間もなく宿泊地の整地。

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ビバークスタイルの宿泊地

夜は意外に寒くなく快適だった。

2/19
朝から天気はよく下山日和?
少し名残惜しいけど撤収して下山します。

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下山中妙な跡を発見 熊かと騒ぐが・・・

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犯人はこいつ

2時間ほどで下山。
時間があるので車で展望台に移動して偵察。
登ったP5稜がよく見えます。

まだまだ登りたいところあるので毎年通いたいですね

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西岳は見るだけでわくわくします P5稜は写真中央あたり


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