東海山岳会 国内山行

2017/8/6

「8/5 南木曽 樽ヶ沢」  山行報告 沢登り
前日の夕方、南木曽町に「記録的短時間大雨情報」が出た。当該地域で数年に一回クラスの大雨が降った時に出る警報だ。1時間で100㎜ぐらい降ったと見られると。
慌てて雨雲レーダー見たら、まさに明日行こうとしているところのすぐ上あたりに、真赤な雲がしばらく居座ってたようだ。

うーん・・・。どうか考えて良いか分からず、判断材料を探していたら「南木曽町内の木曽川本流の水位」というデータにゆき当たった。この数字が夕方頃に150㎝から190㎝まで一気に40㎝も上昇している。これがどれぐらい凄いことなのかは全然分からないが、とりあえずこれを指標として、朝の段階でこの数字を見て判断することに決めて寝た。

朝になったら170㎝まで下がっていた。40㎝増えた分の半分は戻ったということだ。100㎜降ったうちの残りは50㎜分で、雨がやんでから12時間以上か・・。それだったら何とかなるかなあ?
そんなわけで行ってきました。 G&しもです。

林道ゲートに車を停めて、8:30ごろ出発。15分ぐらいで入渓点の橋。9:00ぐらいに入渓。


この沢は泳ぎの要素はほとんどなく、ひたすら滝・滝・滝という感じの沢である。
水量は写真で見たよりは明らかに多いが、濁流という感じではない。
滝は凄い迫力だけど、傾斜の緩い簡単な滝でも足を流れに持っていかれそうで、水流の中に足を入れにくく、どうしても逃げ気味で登る感じになる。水温も低い。
なので「水との格闘」というよりは、ずっと水から逃げ回ってたみたいな感じの沢登りでした。

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入渓直後のこの滝も、普段は上下二段になってるという事らしいが、今日は完全につながっていて一個の滝だ。傾斜が緩いので普段は快適なシャワーで登れるんだろうが、今日はあり得ない。

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下段は左から巻き、上段の下で右に跳ぶのも命がけ(笑)

ウォームアップがすんだ頃に出てくるのが前半のハイライト!

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下段10m+上段30mぐらいの大物です。

下段はホールドも豊富で登りやすそうだが、今日は絶対無理。左から巻く。

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上段。2条になってて、右はダムの放水みたいになってる。

ロープを結んで流れの左端を登る。寝てるので難しくはないが、水量のプレッシャーが大きく、カムを何か所か決めながら慎重にのぼる。(ビレイ点を含め5個使用。)
落ち口の数m下のテラスで切る。

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高度感が素晴らしく、なんか大滝登攀してるみたいだ。気持ちいいなあ。

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いくつか滝をこえて進んで行くとゴルジュの奥にCS滝。
これは水が少ない日でも絶対無理だろう。右に良い踏み跡があって容易に巻ける。

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多段35m。今いる場所の一段上でロープを結び、約20m×2ピッチで登る。
簡単だが、プロテクションは取りにくい。


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快適なシャワーだが、今日は水圧が怖くてロープなしではやばそう。面倒なのでクライムダウンして右の簡単な所から登る。


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大量の水が流れ込んでるトンネルをくぐる。凄い水圧で死ぬかと思った。

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これは巻き。左から。

これを巻き終わったら明るい河原状の場所に出たので、今日初めての休憩。11:30ぐらい。
天気が不安で急いで登ってきたが、夏空が見えてきてちょっと余裕が出ました。

ちょっと進むと廊下状の場所があって、その先が印象的な1080mの二股。

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両側が滝です。地形的には正面のガレ場も含めて三つ股である。

本流は右の滝。下段は何とか登ったが、上段(見えてない)は無理そうだったので、左のどろどろのチムニーを登る。沢への復帰がちょっと分かりにくかった。

これを越えたら急に傾斜がなくなり、平流となった。

標高1100mあたりの右から枝沢が入る所で終了にするパーティーも多いみたいだが、私たちはそのまま進む。

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のどかな平流 もしくは河原歩きを小一時間ほど

理由は分からないが、上に行くほど水温が上がって、水につかるのが気持ちいい。

12:50頃、1160mの二股(1:1)。ここで休憩してハーネス外したりして右へ進む。
そしたらまた急に滝がいくつも出てきて驚いたが、さいわいロープを使うほどのものはなかった。

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もう源流だけど、まだまだ水はたくさんあります。

13:30 林道にでて終了。

と思ったら、急に黒い雲が出てきて暗くなってきた。昨日のことがあるので急いで荷物をまとめて林道を下り始めたが、すぐに雨が降ってきた。あーあ。

せっかく乾いたTシャツに替えたのに濡れるのは嫌だなあ。でも涼しいのは有り難い。とか思ってたら、すぐにやんでしまい、また夏空が戻った。
8㎞ぐらいの長くて暑い林道歩き。
さいわい山は水をたっぷり含んでいて、100m毎ぐらいに横の斜面から水が流れ出しているので、それを頭にかけたりしながらヨタヨタ歩いてたらゲートまで2時間近くもかかってしまいました。


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