東海山岳会 国内山行

2017/1/29

「1/28-29三方岩岳」  山行報告 雪山
どうも白山の向こう側でラッセルを頑張って来たうちの1人キスケです。
今回はわかなさんとラッセル・地図読み山行と言う名目で白川郷近くの三方岩岳へ行って来ました。


今回の目的は冬山に慣れて来たと言うこともあり、計画書から装備、テント地の選定など計画から行動のほとんどを自分の判断でやらせてもらいました。


28日4時…地獄の12連勤が終わり充分とは言えない睡眠でも、割とベストなコンディションでわかなさんを迎えに行く。
車内では、例会や山の話、今回の山行の想いなどいろいろな話をしていたら、あっという間に着いてしまった。

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こちらが今回のルート


トヨタ白川郷自然学校から白山白川郷ホワイトロード(旧白山スーパー林道)のゲートへ行き今回の登山は始まりました
ゲートまでは、トレースがありそこからは、スネ~膝下ラッセルとなりました。
気温がかなり高く、雪が溶けて、ワカンにひっつくし、そこまで早いペースではないけど、ベースレイヤーだけでも滝のような汗、ラッセルを交代するたびに飲み物を飲んでました。


夏道と行ってもピンクテープや標識など人工物は一切なかったので、地図読み能力が試されます。

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ラッセルするわかなさん


ホワイトロードと登山道が近づく1200m手前でわかなさんから僕へラッセルを代わり、僕は緩やかな南寄りの斜面が登りやすいと思い、トラバースし南の尾根に乗り上げる。

後からわかなさんが追いついて来て、なんでトラバースしたの?
っと聞かれ、直登するより体力温存になるのと、登りやすいと思ってしたことでしたが、わかなさんは僕とは違い、直登した方が短い距離で後々楽に行けるとの事でした。


斜面が緩やかなところを選んだ僕は精神的な弱さで逃げていたのでしょうか…
僕が入会して初めて御在所に行った時Bさんが言ってた「ガバに逃げるな!!!」と怒っていた時の事を思い出しました。笑


明瞭な尾根を進んでいくと、結構急な斜面もあったりラッセルは大変でした。
その頃になるとテルモスの残量が少なくなってきており節約しないといけない状況に…
リーダーにはテルモスの量が少ないから少しゆっくり行きますと言い、ラッセルを交互にやりました。

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結構長く自分がラッセルし、交代してから行動食を食べて少ない飲み物を飲み動こうとした時、体がうまく動かない…
とりあえず、わかなさんに追いつかないとと思いました。足も攣りそうでした。
1585mでわかなさんが休んでて助かった。


軽いハンガーノックのような感じと言うこととテルモスがあと1杯と言うことを伝えて、白湯を分けてもらいました。
思えば、朝ご飯は食欲があまりなくコンビニおにぎり2つしか食べてなかった。
行動食はそれなりに食べてたけど、テルモスが少なくなってからは食べる量は少なくなっていた。



多少回復し、動き始めるもやはりスピードは遅いし疲れるのも早い。
1550mでいいビバーク地と思い、時間は13時半、わかなさんに相談。
「さっきの1580mで見た感じだとこの先にいい感じのビバーク地があるかわからないのと今の疲れ具合、ここで先にテントを張り空荷でトレースだけつけに行き明日登頂しようと」

わかなさんも提案を受けてくれた。
こう言った提案が出来たことも驚きだが、このブログのハードウォッチャーである事が幸いした。笑


テントを組み立て、空荷でラッセルするも体は相当疲れてなかなかキツかった。
明日登頂の予定だったけど、それなりに順調に行き山頂まであと50mもないくらいのところで歩みが止まる。



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三方岩岳山頂直下の様子

目の前は崖、左右は雪崩地形で小さいながら雪庇が発達しています。
登るには大きく3択…①目の前の崖を直登する②南側へトラバース③北側へトラバース

①は空荷でロープ、アイゼンを持ってきてないのでなし。②は③よりも斜面がキツい為雪崩の危険大、よって③で悩みましたが…


北側トラバースも40度くらいの雪崩が発生しそうな嫌な感じ…雪崩れた後はないけど、今日の気温の高さ、地形、装備、経験不足から、僕は行かない方がいいと思いました。

わかなさんからは嫌な感じはする。だけど、これくらいなら行けるかもと話してましたがトラバースを目の前にすると気分が乗らない。

もしわかなさんが雪崩にあった時、自分は対応出来るのか!?
スコップもない状況で掘り起こせるのか?
15時半くらいで巻き込まれたら暗くなるのは必至。
いろんな状況を考えたら、自分に判断出来ないことはすべきではないと思いました。

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登頂を断念したキスケ

そこから、ビバーク地に帰り水を作りチーズきのこ牛丼ペミカン(最新作)を食べました。
わかなさんも絶賛してくれて、ペミカン研究家としては鼻が高い。笑
これは、レパートリーに入れておこう。

外は、雲ひとつなく飲み込まれそうな星空に寒さを忘れるほどでした。
19時過ぎごろに早めの就寝。10時間寝れる!!笑


快適であったけど、いつも通りあまり熟睡感がある睡眠は取れなかったが、それなりに疲れは取れた。

朝は、これまた新作の鶏ちゃんペミカンを食す。
まあ、美味しかったけど、これはもう少し美味くなる可能性を感じた。


テント片付けて7時過ぎに出発。
今日も天気は快晴です。
行きのトレースを辿って感慨にふけったり、キツかったことを思い出したりしてました。

下ってる最中、自分のトレースやわかなさんのトレースを見て、結構キツい斜面をわかなさんにやらせてる気がして申し訳なくなった。
わかなさんは全行程の6対4くらいで僕がラッセルしてると言ってましたが…登る前の自分としては8対2くらいが目標と思ってたので、課題は残りました。


途中、僕が逃げた斜面はそのまま直で下りました。
下ってる最中、やっぱりこの斜面より昨日僕が選んだ所の方が登りやすいと思いました。
わかなさんにも話したら、わかなさんはやはり直登するとのこと…うーん、こればっかりは好みの違いなのかなー!?

僕は多分次来ても同じ道を選びそうです。





9時間くらいかけて登ったけど、帰りは3時間くらいで車へ。観光客がたくさんいる暖かい白川郷で温泉に入り帰りました。




今回、わかなさんは判断の殆どを自分に任せてくれて、考えることが多く非常に為になった。
焼山では、ほとんど出来なかった事が少しずつ出来るようになってきたのかな!?
疲れながらも1580mのピークでわかなさんが進む方向と行こうとしてる尾根の間違いを気付けたことは、今までに比べると成長できたと思う。
頂上直下の雪崩地形も自分の判断は間違いではなかったと今でも思います。
やはり悩むことはありますが…もう少し経験・知識があれば、気温が低ければ、また進退は変わってきたと思います。
テント内の生活は徐々に完成形に近づいていて、ほとんど1人でやらせてもらいました。
ハンガーノックや気温が暑い時の行動を、もうちょっと考えないといけないとの宿題ももらいました。(山からの宿題です)


野谷荘司まで縦走する予定でしたが、三方岩岳敗退となりました。
そして、5連敗となりました…来週こそは!!
野谷荘司までは遠かったですが、素晴らしい稜線を見ることができました。
ぜひまた行ってみたいと思いました。
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野谷荘司へ続く尾根


わかなさん、自分のわがままばかりの山行に付き合ってくれてありがとう!!
最高のリーダーでした!


追記:waka

今回の山行はキスケくんが先頭を切って行く、自分のやりたいようにやってみる。それを安全な範囲で見守るのが私の役割だと思っていました。
そういう意味ではいいリーダーだったかもしれません。でも、心が挫けてから、もう体が動かないと思ってからの粘り、なんとかして突破する、チャレンジしてみる、その先にあるものを見せてあげる事、底にまだいっぱい秘めている力を引き出してあげることが出来なかったなぁと帰ってきて考えていました。
この山行の一番の目標である地図読みやテント生活、ラッセルなど、すべて自分のペースとやり方でやってみて納得する事ができたのは大きな収穫だったと思います。でも山が微笑んでいてくれたこの二日間、二人で苦労しながらもぐるっと二つのピークを踏んで最後まで歩き通せたら、もっともっと大きな収穫があったし、私たちならそれが出来たと思います。
その気持ちを最後に車の中でキスケ君に伝えられなかった事が私の今回の一番の反省でした。
私もキスケ君みたく反省ノート(リーダー編)作ろうかな。


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