東海山岳会 国内山行

2017/1/29

「1/28 縫ヶ原山南面 偵察」  山行報告 雪山
北面にモッカ平を擁する福井の縫ヶ原山は、地形図には名前さえ出ていないマイナーなピークである。冬に真名川ダム方面から登るルートはスキーとかで比較的良く登られているものの、それ以外のルートはほとんど情報が無く、あまり登られていないようだ。
しかしこれが私にとっては相当にLOVEな山であり、このところは毎年未知のルートからこの山に登るのが年間行事のようになってきた。


こうなってくると気になるのは頂稜に巨大な雪庇をいただく急峻な南面のいくつかの尾根たちである。しかし頂上からみる雪庇の直下は壁と言っても良いような傾斜だし、実際地形図にはギザギザのガケのマークもついているし、取付きも谷の中に入っていかなければならないなどの悪条件のせいか、少なくともインターネット上には登ったという情報は全くないし、その写真も見つけることは出来ない。おそらくほとんど登られてないか、全く登られてないかのどちらかであろう。


というわけで、今回はその南面の偵察のために、一番右の尾根(地図のピンクのライン)を登ってきました。以前に上を通った時に、抜けが雪庇でふさがれていないことを確認していて、そこにはガケのマークもついてません。
事前情報がゼロなので、どんなところか全く想像も出来ずに行ったのですが、天気に恵まれて予想以上の素晴らしい南面の景色を堪能でき、偵察もしっかりでき、この山への愛をさらに深める結果となりました。
(偵察のくわしい結果は、また改めて)

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取付きへは三坂谷の林道をたどるが、集落の終わるところからさらに400mほど除雪されてて車で入れて助かった。車を降りたところからすぐスノーシューを装着して40分ほどで尾根の取付き。この尾根も記録は見当たらないが、相当にアクセスが良いので登っている人もいると思う。でもテープやペイントなどの人の痕跡は一切見当たらなかった。
樹林の急な尾根を登り、900mの台地上に出ると待ちに待った南面が見えてきた。

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思わず声を上げてしまう


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手前の尾根の下の方はキノコ雪になっているようにも見える。


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奥の尾根は上部で短いが壁にふさがれている。巻いて雪壁が登れるだろうか?
手前の尾根は上部はそんなにきつくなさそう。
その手前のルンゼは素晴らしい雪面となっていて、そそられる人もいるかもしれない。


おや??やや右下にある黒い点は何だろう??

拡大してみると・・・




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誰??!!

今日は気温が高く、いろんな動物がやたらと動き回ってるようでした。


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尾根自体は平凡であるが、終始南面の景色を眺めながらの登りは楽しい。
ただ気温が高く樹氷が無かったのが残念だった。

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ちょっと急な所もあり

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尾根に出る直前です。

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尾根に出たら平坦な雪原を15分ほど歩いて頂上へ。
何度来ても素晴らしい!!

尾根の左が南面の上端部です。
でも今はまだ雪庇が小さい。一昨年の2月とはだいぶ違う。

頂上は風もなく暖かく、美しい景色を見てのんびりできました。

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20分ほど休んで、荒島を眺めながら戻ります。

荒島の奥には白山。そして白山の向こう側では、今頃あいつらもラッセル頑張ってるかな??


さて、下りはもう一つ東側の1193mピークから南に下る尾根を降りてみた(緑のライン)。これも情報ゼロ。景色の良し悪しはともかくとして、尾根自体の面白さで言えば、こっちの方が登った尾根よりもだいぶ面白いと思う。結構な痩せ尾根で、地形図には表現されないような小さいピークがいくつもあって綺麗なスノーリッジが出来るようになってる。アクセスも良いし、おすすめルートである。ただし、1193mピークに抜けるところが雪庇でふさがれるため、時によっては通過に苦労するだろう。今回は1.5mほどの段差を飛び降りるだけですんだ。

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上部の痩せたスノーリッジ

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上に乗っかるとこんな感じで宙に浮かんだ気分です。

あとは地図を慎重に見ながら下っていけば、頂上から2時間ぐらいで朝の林道に降りられました。


このような全く情報のないルートを、地図とスノーシューと少しばかりの経験だけを頼りに縦横に歩き回り、ほとんど誰も見たことがないような景色に驚いたり、目の前の穴から飛び出した60㎝ぐらいありそうなヤマドリに癒されたりしながら遊びまわっていると、本当にとてつもない自由を感じます。このフリーダムこそが私が山に求めてるものなのかもしれない。良い一日でありました。


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除雪終点の駐車場所から振り返ると、縫ヶ原山南面が午後の日をあびて輝いていました。


DATA:
8:00 駐車場所出発
8:40 尾根取付き
9:50 900m台地
11:40 尾根に出る
12:00-12:20 山頂
12:50 1193m
14:10 林道
14:30 駐車場所

メンバー:G、しも


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