東海山岳会 国内山行

2017/4/17

「4/15,16 空木岳池山尾根ピストン」  山行報告 雪山
Bリーダー、waka と わたしkura という、初構成で空木にいってまいりました!

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結果はピストンですが、計画としては宝剣まで縦走。ロープウエイ下山。

雨予報の割には好天で、油断させられましたが、後半はしっかり崩れてきました。

登り口は管の台スキー場。その駐車場より上に林道終点まで行けそう!といってみましたが途中で、ゲートが冬季閉鎖。夏より1時間余分に歩きます。

素直にスキー場の駐車場から歩いても変わらない感じ。

林道終点に着き、そこから少しあがると本格的に雪道になる。

ひたすら登る尾根に嫌気が差してきたら、本格的降雪。べたべたに濡れる雪。
雨を恐れてカッパ装備できましたが、少し寒くなってきた。

Bもwakaも元気だが、私は高度が2000に近づくとだんだんきつくなってくる。
昔から標高の高いところへいくと、軽い高度障害がではじめるが、いつものように気合で乗り切る。

全体的に幅の広いわかりづらい尾根で、テープを見たり、磁石を見たりと忙しい。

2100あたりから難所が続く。結構なナイフもあり、地獄シリーズが始まる。

核心は小地獄で、下山時に地元の方にお話を聞くと、夏道のトラバースルートが崩壊して、冬道である直登ルートしか残っていないとのこと。

ともあれwakaが岩壁に押さえつけられている。

俺に任せろとkura登場だが、ちょっと、ちょっとちょっとな逆層クラック。別に道を探す。

急ではあるが、やはりルンゼを詰めるほうがいいと皆で判断し、ロープを出して突破。


樹林帯を抜けると、ホワイトアウト。それもほぼ完全な。
わたしのばて具合も完全になってきて、着いていくことに必死。
あいかわらずwaka元気。Bもwakaほどではないが余裕がある。

結構いっぱいな私。そんな状態で、風も強風になり、なんといってもかなりのホワイトアウトで、尾根も広い。wakaがナビゲートする。見事に使いこなしており、駒峰ヒュッテまで導いてくれた。わたしのGPSに出番はなかった。

私といえば、高度障害を無理に押さえつけた反動か、冷や汗が出だす。急速にシャリばての症状も出てきたので休憩をお願いし、強風の中休む。

その強風の中にいると、体がどんどん冷えていく感じがした。
後からの推測になるが、カッパの撥水性が落ちていて、あまり中の湿気を出し切れていなかったか? 濡れてから強風というジャケット性能テストのような環境で、弱った体にはこたえたのかもしれない。

そんなこんなで、小屋に何とか到着。扉の掘り出しが大変と思いきや、小扉があり、
小屋の土間に入ることができて、ほっと一息。

たくさんの置き場や、物をかけることができて大変快適。
少し風が通るので、寒い。私だけがかなり寒かったので、寝袋に入りながら食事を取ると少しずつ暖かくなってきた。いったん体が冷えるとなかなか元には戻らない。

強風と、降雪が続き、積雪が進む。扉を見てみると、雪で埋まりかけている!!
これは下手をすると、中から扉が開けられなくなるのでは!!

めちゃめちゃ恐ろしいことが想像されたので、扉を開けっ放しにして、寝ることにした。

朝には体の不調は回復していたため、天候を見ながら先に進むこととした。

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冬山の様相の駒峰ヒュッテ

天気は回復する予報だが、まったくのホワイトアウト。また磁石で前進。
すぐに頂上に着くが、天候は回復せず、慎重に宝剣めざし前進。しかし、ホワイトアウトの中ではまったくペースは上がらず、このままの天候では時間切れと判断。下山を決定。

山頂で写真などを撮りながら下山を開始。駒石(さいころみたい)あたりで天候が回復。大体そういうもんでしょう。

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ところどころずぼずぼはまりながら、小地獄では2回懸垂し、そのまま痩せ尾根でロープを出した。そのほかは特に問題なく、長い尾根を降りてこれました。疲れました。

全体まとめ:
ポイントは小地獄で、南に巻くトラバースはトラロープでふさいである。トレースに導かれていくと大変危険。今年も事故があった模様。
小地獄自体は、左(南)に方向を変える感じで急峻なルンゼをつめる。ナメになることもあるよう。

また、間違いやすい複雑な尾根形状だが、慎重に尾根見ていけば間違えないと思う。赤テープ豊富。幅の広いところも多く、磁石とテープが頼りになるところも多い。

装備:ダブルロープ50m 1本 カラビナ5 短スリング4 長スリング2 
これで十分足りるが、縦走となるとどうかは当然わからない。 機関誌

追記:waka
宴会部長のkuraさんと初めての雪山泊まりの縦走。さらにBボスもいるとなれば、、「歩きがメインですか?宴会がメインですか?」と聞きたくなるメンバーで、正直酒とツマミの量に悩みました。
予想以上に悪かった小地獄を越えて樹林帯を抜けると、雨がみぞれ→横殴りのアラレ・ホワイトアウトとなりなかなかの悪コンディション。上か下かもわからない程真っ白な状況でしたが、3人固まって声掛け合って進む。3歩歩く毎にコンパスを確認、ロストすることなく無事小屋につけた時は嬉しかった。やっぱ下界で常日頃から宴会で鍛えただけあってなかなかのチームワークでした。
kuraさんは小屋の中でもぐったり、ずっと寒さに耐えている。お酒を前に置いても見向きもせず、、本当に心配になりました。
テントを張って暖かくしてすぐ寝ましたが、外はゴーゴーと一晩中強い風が吹いていました、ここに泊まって正解でした。
翌日の稜線でもホワイトアウト。それでもBリーダーは駒を進めたい様でしたが、私の気持ちは半分半分。天気が回復してくるだろうけど、時間がない。もう少し良くなるのを待ってせめて檜尾まで行きますか?という問いに二人はNO!行くなら千畳敷まで抜けたいとの事。せめてもう一日予備日があれば、、と思うが我等戦うサラリーマン。予備日なんてありません。
あれば突っ込んでたなぁなんて言いながら快晴の池山尾根を下ってきましたが、2日目は下りだけだけど3人ともすっかりバテて、行ってたら逆にヤバかったなぁに変わってました。
それでも千畳敷目指した気持ちで行った空木はとても貴重な経験となりました。


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