東海山岳会 国内山行


2017/8/20

「2017年夏合宿 8/14 4日目 チンネ左稜線」  山行報告 無雪期アルパイン
合宿4日目 タイムです。

1:00 剱沢テント場発
2:00 長治郎谷出合
3:00 池ノ谷乗越
4:30 チンネ取付
4:50 登攀開始
10:30 登攀終了
11:30 クレオパトラニードル取付
12:00 登攀開始
12:30 登攀終了
13:50 C峰ピーク
14:30 Ⅴ-Ⅵのコル懸垂地点着
16:40 懸垂完了
17:30 長治郎谷出合
19:00 剱沢テント場着

先日のCフェイスに引き続き、今日も1時出発。こんな時間に出てるのだから、トップを取りたい。

メンバーはwaka,taka,kura

奇跡的なtakaの参加により、意気も上がる。
いろいろ奇跡続きの合宿である。

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昨日登っていた割に私もwakaも2人とも調子がよく登れている。
順調に熊野岩までつくが、やはり先に出られてしまう。

なんとか追いついたところで、雪渓が不思議な形に切れており、まるでターンパイク道のようにジグザグに登って行く。とても面白い。真っ暗ですが。

なんとか池ノ谷乗越に先につくことができ、なんとかトップの望みをつなぐ。

池ノ谷ガリーも暗い内に降りる。
ほぼ落石と一緒に滑り降りる感じ。強烈に悪い。とにかく前にいる人に落とさないように集中して降りる。

小窓の王が巨大にそそり立ち、その脇が三の窓。四、五張りのテントがあり、準備を進める方がいらっしゃる中、そそくさとアイゼンを再度履き、大急ぎで取付へ。 奇跡的にトップ!

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薄暗いけど急ぎましょう!


1ピッチ目を迷いながら抜け、フォローアップしてるうちに次のパーティの方が谷側の方から ノーザイルで上がってくる。これはいいな思い次回は使いたい。

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やっと日の出だぜい

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2ピッチ目も先に行かせてもらい突っ込むが、残置は少なく方向を探りながら、25mですぐに終了点。迷うが一度切る。

3ピッチ目は50m一杯伸ばせ、次にすぐ終了点なので、伸ばそうとするが、トポを睨んでも行き先がわからずそこで切り、トポにルンゼとあるのでルンゼを詰める。

なぜかリッジが出て来て、より一層わからなくなる。
4ピッチ目終了でWaka と交代。

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5ピッチ目にてやっとスッキリしたところに出て、Ⅲ級フェースを快適そうに登る。次のピッチも同じような感じ。

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7ピッチ目 素晴らしいピナクルとリッジの連続!
Taka、リードしなさい!数少ないⅣ級ですから!

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ずっとこんなウヒョーなところが続く

素晴らしいロケーション、高度感!最高のクライミイング!

しかしその後にすごい「鼻」が待ち受ける。核心である。すごい迫力で迫る。
遠目にはピトンが全然見えず、どんな風に登るのかさっぱりわからない。
リードすると宣言してしまった以上後には引けない。

後続パーティの方が追いついてこられたので、思わずどんな感じか聞いてしまった。すると言うほどでもないとのことで、一安心。気合いを入れる。

心配するまでもなくルート取はピトンが導いてくれる。バランスクライミイングで怖い為、バンバンランニングを取ってしまう。

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見た目すごいっすよね

8ピッチ目は少し伸ばし、終わらないうちにwakaに交代

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9,10P 最後のやさしいがすばらしいナイフリッジを楽しみ終了

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そこからクレオパトラニードルを目指して下っていくと、simizuとkisukeと遭遇。
ニードルのルートを探しにきたようだ。
またまた楽しい偶然が重なる。

私はいっぱいいっぱいだったが、wakaも登りたい様子。
彼らに続いて3人でものぼる。takaリード。

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難しくはないがワイルドな壁で、ランニングもムーブも慎重さが必要。
山頂の形も楽しく、登ってよかった。

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そこからわれわれは、八峰6峰経由で5,6のコルへ向かう。
慎重にルートを選びつつ、間違えないようによく確認して下るが、5,6のコルへのくだりが大渋滞。と、いうより、多少降りる方向を調整する必要がある懸垂のため、皆さんてこずっているようだ。

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やはり本ちゃんに来るには、懸垂をしっかり練習してくる必要がある。

たっぷり2時間ほど待って、やっとコルへ降り立つ。

さあ、暗くなってしまう!大急ぎで剣沢へ。

何とか明るいうちに着きました。
もうへとへとでした。

装備
おおむねカムを使えるところがあまりなく、残置主体。カムは1セットあれば十分と思います。
ただ、支点がプアな為、エイリアン類での補強が有効。
フリービナ15、スリング20ぐらいあれば安心感がある。
ヌンチャクも10ぐらいはほしい。

写真、手書きトポあとであげます。

機関誌



追記:waka

4年前の合宿で果たせなかったチンネ行、今回も途中までは諦めていましたが色んな奇跡が重なって行く事ができました。
そして左稜線は本当に行って良かったと思えるルートでした。スカイラインに飛び出した時の高度感と周りの景色は格別でしたし、簡単なグレードの部分でもいろいろな岩の形状やルート取りを要求され次から次へと変わる景色に面白さが絶えませんでした。
アプローチでも色々ありました。雪渓での登りはkuraさんの指示で私の荷物をtaka子が持ってスピードアップ。池の谷ガリーから先もkuraさんがガンガン先行してくれて、剣沢からの私たちが一番を取れたのがその後へとつながりました。よいチームワークでした。
ガリーも想像以上に悪く、岩雪崩のすごさに呆れて思わず笑いが出ました、あの場所を経験できたのは自分にとって貴重だった。暗い雪渓で忍者の様に先行Pを抜き去り、ガリーを越えて日の出と共に取付きに到着した瞬間が私の中の一つのハイライトになりました。
登攀中はルーファイに手間取った部分もあって後続を引き離せなかったので、ちょっと落ち着かない感じがありそこだけは残念。でも時間ないながらも全員がリードをする事ができて良かった。
おまけに帰りに他のルートを登っている仲間全員に会えたのも、とても嬉しい瞬間だったし、チンネ~ニードルの継続登攀が出来たのも良かった。体力次第ではさらに北方稜線~本峰経由で帰れる事もわかったし、5.6のコルも渋滞にはまったけど経験できたし少しずつこの辺の様子が分かってきて満足した。

あと、合宿を通してずっと一緒だったkuraさんですが本当に今回は助けてもらいました。副リーダーとして私の言う事を上手に皆に伝えてもらいましたし、天気が悪くて停滞しているテントの雰囲気も明るくしてくれたし、何より山の中での底力がすごい。
誰よりも重い荷物をいつも平気な顔して一番を歩いてくれました。私もkuraさんも似ている所がありそれゆえの失敗もあったかと思いますが、、とにかく今回の合宿の立役者と思っていますこの場を借りて感謝です。


いろいろ楽しかった! 皆さんに感謝です。

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