東海山岳会 国内山行

2017/9/12

「9/10 台高 ヌタハラ谷」  山行報告 沢登り
蓮の方に行きたいなあと思ってたら、ほぼ沢登りデビューのwakaさんが行きたいって言ってきたので、易しくて楽しそうなヌタハラ谷に行くことにしました。G、しも、wakaの3人です。

ちょっと長めの沢なので、早めに出てヌタハラ林道分岐に車を停めて7:40歩き出し。ちょっと沢沿いの道を歩いて適当なところから入渓。初心向けのレクチャーは、いつものように1分以内で済ませて歩き始めます。序盤は、まだ暗い谷の中にちょうど良い角度で日が入り始めて、息を飲むような美しい場所がいくつも出て来ました。

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泳ぐところもいくつかあって、良い場所です。


しばらく行くと、大規模な土砂崩れの所があって、そこを越えるとハイライトの夫婦滝。3段で合計100mあるという大物です。



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これは下段。20mちょっと。

しかし、この滝は3段の全体がカーブした大きなゴルジュの中にありまして、下からは中段も上段も全く見えてません。
3段まとめて大巻するというのが標準みたいな感じですが、今日はゴルジュに中に入り込んでみよう!

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下段は左の泥壁から。出だしが立ってるが良いホールドがある。落ち口の左の大きな木まで23m。

ちょっとだけ怖いクライムダウンがあって中段下へ。ここで初めて70mあると言われる上段が見えてきます。

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中段は簡単に登り降りできます。(水が多いとクライムダウンは厳しいかも)
奥に上段が見えてます。

中段を登り切って、Ⅴ字形の開口部から上段の下に入っていくと、そこはぐるっと回りを50m級の壁に囲まれたコロシアムのような場所になってて、自分がその中心のステージに立っていることに気付きます。
本流の滝と、その右側に細いけど夫婦の相方の方の滝があります。

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もうこれは「空間」の話なので、どれだけ写真を並べても文字を連ねても、説明しきれません。本当に素晴らしい場所ですので、ぜひ行ってください。


上段の巻きもロープを使うのかなと思っていましたが、行ってみると普通に歩いていけるようなところもあったので、ロープはしまって歩いて巻きます。歩くと言っても結構怖いし、ずり落ちたら終わりの場所もたくさんありますが。

巻き終わったのが10:00ぐらい。ちょっと休憩。

そもそも今日は非常に水が少ないのですが、夫婦滝の上に来るとさらに水が減って、もう源流の雰囲気です。それもあってここからしばらく、不動滝ぐらいまでは特に見せ場もなく、直登出来る滝もありますがそんなに印象に残らず、どっちか言うと退屈です。

「退屈だ、退屈だ」と口に出して登っていたら、ヌタハラの神様が怒って「これでも食らえ」と送り込んできたのが「ヘビの軍団」!!

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この暗い滝を先頭で登って行ったwakaが上で何かやたらと騒いでいる。

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何かと思って登って行ったら、抜けの岩の上に大きなヘビが待ってた! 
刺客その1。漫画のような展開。

うーん神様。なかなか良い演出です。

ここからどういう訳か50m毎ぐらいに次から次へとヘビが出てくるという、かなり異例の展開となっていきました。

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これはカエルの食べ過ぎで、お腹がポンポンになっています。1m以上あると思う。
ヤマカガシの黒化型みたいだけど、よく見ると途中で色が変わってるなあ。何でだろう?

なかなか見れないジムグリも出て来ました。
若いジムグリ(外部サイト)は、「これ日本のヘビ?」って思うぐらい鮮やかなオレンジと黒のまだらで一瞬ドキッとしますが、実は性格が温厚なヘビで、手でつかんでもおとなしくしてたりします。せっかくなのでいじって遊んでいこうかと思いましたが、ヘビは全員が悪者だと思い込んでるしもさんが怒るので、やめておきました。

さらに白骨化したヘビまで送り込まれていた。遺体の損傷の状況から死後1か月は経過しているものと思われる。わずかに残った皮の模様から、「これはマムシだ」としもさんが鑑定。


そうこうするうちに不動滝。水が少ないので迫力不足ですが・・。

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一段上がって、滝に打たれに行きます。

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滝に打たれるwaka。顔は良く見えませんが、何か嬉しそうです。

不動滝の上は、森が苔むして良い雰囲気になってきました。

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トチの実

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保護色センサー壊れたの?

コウセ滝、ネコ滝の2段は、下を左から巻き、上は右から巻く。

1250mの辺りから、南のヒキウス平の方に抜ける予定だが、この辺は地図でも谷が5~6俣ぐらいになっていて、非常にわかりにくい。
こっちに抜けてる記録は少ないので、分岐となる二股がアザミ滝の上なのか下なのかが良く分かっていなかった。
1235mぐらいで左に支流を分けていて、奥に滝が見えている。ちょっと迷ったが、とりあえず見送って本流を少し進むとアザミ滝と思われる滝が出てきた。これを左から巻こうとしたら、巻き道が先ほど見送った支流の方にも降りていってたので、その支流を詰めてみることにした。結果的にはこれが正しい左股(最終的に1394m点に南から上がる谷)だったようだ。
下から見えてた滝を巻くと、さらに2段の滝が出てくる。どちらも立ってて簡単には登れそうもない。でも巻くのも面倒くさそうだ。この上はすぐヒキウス平に続く平坦地になってる雰囲気。左の方を見るとちょっと先に登れそうな尾根が見えたので、ここで終了することにしました。13:00 標高1280m。

片付けて歩き始めがが13:30。尾根に乗るとすぐに「美しい笹原」だった場所。今は鹿に食い尽くされたのか、ただのはげ山でした。
13:45 ヒキウス平。ここからヌタハラ谷右岸尾根(通称ヌタウ)を下ります。そんなには踏まれてないし、地形は急だし、分岐もたくさんあるので、地図を見ながら慎重に・・・。

でも予想以上に悪い場所が満載でした。

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火事場跡。ここも見た目以上にボロボロで、怖いです。

オマケに途中から雨。そのうち土砂降りに。(蓮の雨量計は3時間ぐらいで20㎜になってました。)

私としもさんは正直参ってましたが、wakaさんだけは楽しいとか言ってました・・・。

16:00に駐車場所近くの林道着。雨の中ヒルに攻められながら、3人分のずぶ濡れの荷物と体を、狭いムーブに何とか押し込んで帰路につきました。


追記:waka

今までずっと沢の山行に参加できませんでしたが、やっと念願叶って行けました。水が好きだし、壁のルートにはない人気(ひとけ)のなさゆえのワイルドさに憧れてましたが、逆にその部分に沢山危険が潜んでいるなと感じました。一番怖かったのは巻のトラバース。落ちたら死んじゃうやん!ってとこばっかりなのに悪い。あと、泳ぎが想像以上に前に進まなくて焦ってるところに滝の水しぶきがどっとかかってくると、心臓バクバクしました。慣れるんでしょうか。。
でもカエルもヘビも沢山見れたし、なにより夫婦滝がすごかった!道路が近くにあったら一機に観光地化されそうです。
そして沢を登っているともの凄く山奥深い秘境を探検している気分になるのも不思議でした。稜線に上がって道が出てきたり、飯場に出くわして人が沢山いた跡を見つけたりするとアレッと思いました。
また少しずつ沢も挑戦していきたいと思います、ありがとうございました。