目指せ!EL CAPITAN!
kamba&kaniのYOSEMITE TOUR
文:kani
9/8 NGO→NRT→SFO→そしてYosemiteへ
名古屋から、成田で乗り換え。NW、デルタに吸収されたせいか、ワインやビールがタダになっていた。
9;:15サンフランシスコ到着、レンタカーを借りた後、ハイウェーから市街地に降りて買出し。kambaナビ・kani運転。無事REIとセーフウェーに辿り着く。REIには欲しいものが何もなかった、セーフウェーも思ったよりフルーツ缶種類無かった。そこからは一路Yosemiteへ。山間部に入った頃、眠気が…「kambaさ〜ん、代わって〜」「自分も眠いです〜」……しばし仮眠。18;:00ごろEntrance到着、今日は疲れを取る為にCurry Villageのテントキャビンに泊まる事に。

9/9 買出し、Muir Wallに向けて準備
 5:00に起きてCamp4受付の為に並ぶ。無事確保。テントを設営し、Mountain shopに行き昨日手に入らなかったリベットハンガー、ブラスオフセットナッツ購入。その後ペットボトルのテープ張り、ギア・食糧などの準備、ホールバック養生作成など。ギア並べていると、本当にビッグウォール行くんだ〜って気分になってくる。
 昼過ぎ、予想より早くM川氏登場。彼が一人いるだけでいきなり賑やかになる。夕方、3人でMeadow とEL CAP BASEまで下見に行った。16:30の時点でSalatheに1パーティ、the Shieldに1パーティ、Noseに4パーティが視認できた。
kamba;エルキャプを見つめいていると、出国前に抱いていた期待と不安のほかに、体の内側から覚悟がわいてきた。こんな気持ちは久しぶりで心地好い。
kani:人間が小さ〜い=壁でかいなあ。でも、今まで抱き続けていた不安不安期待→もうやるしかない、って気分に変わる。ドキドキワクワク感最高潮。
9/10 Muir Wall 1〜4P目
5:00起床、8:10登攀開始。快晴。
1・2P:kani C1
kani:トポ見て届きそうだ、でリンク決定。Mobby Dickから取り付く。以前からがらOS…この重さでそんな事できません。素直にエイド時々フリー。2P目5.8はさすがにフリーで行くが、終了点数m手前でロープ足りん!?這いつくばって伸びて伸びてみたら何とか手は届いたんで、スリング連結しまくり&手前クラックにカムガチガチに入れたりして何とかビレイ点作成。手間取った。んで、ホーリング、きつ〜。この軽荷でこれか、本番はどうなっちゃうんだろ。
kamba:私がユマーリングしていると先ほどまで私がビレイしていた場所にクマがいた。まさにニアミス。クマはそのままEl Cap Base沿いに登っていったらしく、クマを威嚇するクライマー達の奇声があちこちから聞こえてきた。

3P:kamba C1
kamba:プロテクションは確かにC1だが振り子が2回あるのでそれなりに時間がかかった。振り子したさきが見えないので出来るだけ登ってから振り子をした。
kani:kaniは初の荷物送り出し、うっかり荷物セルフ外すの忘れ…スリング切りました。送り出しロープは半マストにした。回収時、2つ目振り子のナッツが回収できず、下手くそだなあ。
4P:kani C1+
kani:C1+部分、フレアーして悪い。まっすぐから、ハングへ、ライン間違え細かいカムで直上、エイドダウンして戻る。残置ピトンがある左側から越えるのが正解。時間かかってしまった。
17:00まで登って4ピッチしか進めず。グレードでC1+までしか無いというのに。2人ともまだ要領が悪い。ポータレッジを張ってくつろいで過ごす。缶詰夕食は結構満足出来ます。2すくいとか3すくいとか、平等になるべくチマチマ食べたおかげで却って満腹感が得られたのかも。暗くなり、ヘッデンを点ける頃kamba氏内側、kani外側で寝る、日本で練習した時もその位置だったなあ。

Muir Wall 4P目

9/11  Muir Wall 5〜8P目で敗退
5:00起床、6:50登攀開始。  


Muir Wall 5P目

5P:kani C1+
kani:C1+、スモールカム連発、ハイブリッドの威力を知る。ここは楽しかった。昨日の反省が生き?1時間30分位で抜けた。漸く、面白いと思えるようななった。
6P;kamba C2
kamba:ハング下を左にトラバース。ハングを抜けたあとのクライムダウンに緊張させられた。荷揚げのさいホールバッグから何かが落ちていった。あとで確認するとhuman wastes bagの底が割れて無くなっていた。OH NO!
kani:ひたすらトラバース、ハングからの抜け口が遠い&下り気味で怖そう。           
セカンドも大変、アブミ回収したらかなり時間かかった、下り気味残置はちと怖かった。


Muir Wall 6P目

7P:kamba C1                       
kamba:左のクラックに移るタイミングを計りながら登る。乗り移ったあとは簡単だが、終了点は一切無し。登ってきたクラックと巨大なハング状フレークのしたでカムで固め取りしてビレイ点を作成する。
kani:少し登ったら、残置スリング使って振り子。セカンドも振られる。キャメ1が岩に噛みついていて回収しづらかった。
8P:kamba C2
kamba:出だしに迷う。今まで登ってきたクラックを辿るか、フレークを左に回りこんで登ってから元のクラックに戻るか。結局後者を選択。フレークなので多少気を使うがそれ以外は簡単で元のクラックに合流できた。
 二人が合流した所で16時を過ぎていた、ここでkaniリードしたら、という考えもあったが、このペースではMammoth Terracesに着くのは暗くなる。水は余分があるのでもう一泊はできるが、C1〜C2のピッチ4本で約9時間半。そこまでしてFIXを張ってもそのさきのThe Shieldを登るには私たち2人のペースは遅すぎると判断。それなら頑張ってMammoth Terracesに行く意味は無いので早々に懸垂で下降することにする。
敗退P:kani C1?
kani:はからずも振り子初体験、そこからはバチバチカムカムで快適そうなクラックを上がる。支点にはフィックスがあったが、それをよけてフィックスと荷揚げ。
kamba:終了点から振り子で左のクラックに移り直上したさきのレッジがHeart Ledgeからrappel station                


Muir Wall 7P目

ここからはばっちり整備された支点を使って懸垂4回。懸垂のさいに下からユマーリングしてきたカップルはサラテをフリーでトライすると言って荷物をホーリングしていた。また私たちのすぐあとに降りてきたフランス人は明日からSunkistを登るという。彼はフランスの登山学校の教師らしく江本悠滋が彼の生徒だったと言っていた。彼は私たちの状態を知ると代わりのルートとしてZODIACを勧めてきた。これからの予定は明日決めることにして、取り付きで荷物をまとめ、暗くなる頃車に到着。とりあえずCAMP4に戻り夕飯と酒を飲む。

9/12 レスト・今後の方針について検討
7時半起床。のんびりと朝食を取りM川氏とCAMP4ボルダーを確認してからHouse Keepingで洗濯とシャワーを浴びる。マウンテンショップでチータースティック(ちょんぼ棒)1本とkaniはマスターカムを購入。CAMP4に戻って、パワーバーで汚れてしまったカムを掃除しつつガチャの整理。それから机で落ち着いて今後の作戦会議。ZodiacとTriple Directが最終候補に残った。kaniはこの中に、もともと興味があったルートがあった。kamba氏「kaniさんはどう思う?」「ちょっと難しいと思うけど…」で判ったようです。むろん、kamba氏も同じ意見、Zodiacに決定。ここはO山・M川氏ペアが行った事あったんで、M川氏からアドバイス聞けた、感謝。面白かった、と以前O山氏から聞いた事があったんで、楽しみ。水筒にダクトテープを巻き、食料を確認し、夕方、3人でZodiac Gully入り口を偵察しに行く。間近で見るZodiacに、期待と緊張感が一気に増す。また、割れたhuman wastes bagの底にはダクトテープを張っておいた。fix工作は明後日とする。
 夕方からは軽くボルダリング。
kamba:V1が3本、V0が1本、VBが1本登れた。リラックスできて楽しい。
夜はM川氏も交えて焼肉夕食、「今夜CAMP4に現れるはずのO山・M野さん(M川氏のBIg Wallパートナー)が来ない、モーテルにしけこんでるに違いない」とやたら騒ぐ。
9/13 レスト・Zodiac準備
 朝起きたついでに受付をのぞくとO山氏、M野さんが並んでいた。M川氏の予想通り途中でダウンして泊まったようです、無事到着して良かった。また、明日のZodiacのための準備をしていると、A山さん達が現れた。スコーミッシュからアムトラックで移動してきたとのこと。レンタカーのガソリンが少なくなったので往復2時間かけて給油したあとマウンテンショップでコパーヘッドを買い足す。午後になると空に雲が増えてきた。予報では明日は雨。
kamba:kaniさん、M川さんと3人で朝食前にボルダリング。昨日宿題になったThe Sloth(V3)が登れた。
kani:今日は歓迎の宴、といきたかったが、明日からの仕事に備え、早めの就寝。今までの反省を生かし、明日からはもっと頑張ろう。
9/14 Zodiacフィックス工作
4:30位から雨がポツポツ。まあでも予定通り5:00起床、空はどんよりしていたがとりあえず出発。車から55分歩いてZodiac取付に到着。雨は止み、空は曇り模様。
1P:kamba C3+/A3 7:50スタート
kamba:私にとって初のC3+ピッチ。出だし近くでブラスナッツが外れていきなりのフォール。多少びびったが登り続けると段々楽しくなってきた。                       


Zodiac1P目

kani:ナッツがはずれ、エイリアン半がけもとんで落ちてきた。                         部分部分で「よろしく〜」コール、かなり悪そう          
2P:kani  C2+  11:00スタート
kani:最初のトラバースはカムがよく効いた。時々クラックの上を覗いて出る場所を確認しつつ行く。クラックから出て残置コパーに移る所が少し遠い。リベット・ボルトの後5.8orC2、フリー突破する気も無く、斜上するバンド状をフックとハンドトラバースで行く。適当な所でバンドに乗っかり、クラックがまっすぐのびる所からC2+exp、スモールカム・ナッツ使用。面白かった〜。
3P:kamba C2 13:10スタート
kamba:長いけれどほとんどがボルトラダーなので楽勝と思いきや、ボルト間隔が遠くリーチをあと数cm伸ばすのに苦労を強いられる。チョンボ棒が欲しいと思いながらDead Bird Ledge(初登時、Charie Porterが鳥の死体を見つけたことから付けられた名前)に到着。
kani:ボルト・リベットが遠くて苦労していた、フリーで取りにいったりしたよう。普通〜はサクサク行けるボルトラダーでC1以上に?えらく時間かかってた。ジャパニーズチョンボ(フィフィ)も必要かと。


 Zodiac2P目

4P:kani C1 16:20スタート
kani:最初はせせっこましく斜上バンドを伝う、フリー気味、キャメ2とか3とか。傾斜がついてくるとピンスカに指つっこんだり、A0しまくり。更に傾斜がつくとエイド、スモールカム→キャメ2になるが、下で使っちゃったんで右上のクラックにエイリアンとかきめる。
kamba:ビレイ中にTangerin Tripの2パーティが見えたが、ハングを超えたさきの上部壁を登る姿はとても格好良かった。
 予定通り、4P目まで進んだので、ビレイ点にメインロープをFixし、往路を懸垂する。4P目の下降のナナメバンドは歩くように下降、ビレイ点でkamba氏と合流し、今度は予備ロープをフィックス。で、次の1〜2P目はあわせて荷揚げロープ1本でまっすぐ下降。1パーティが1P目をリード中で明日か明後日にgo upという。ロープがこすれないように岩から離して固定し、ガリーを下りていく。19時、暗くなる前に車に戻る事ができた。そのまま買い物に行き、テントサイトで夕飯。M川氏たちは明日NOSEのfixとのこと。
心配された雨は、時折ぱらっと来るだけで済んだ。おかげで涼しく、壁中で過ごしやすかった。
9/15 レスト                                


 Zodiac用ギア準備

朝、kaniはトイレに行きつつO山Pのfix工作出発を見送る。その後、我々のGO UPの準備は11:00には終了。リベット用をチータースティック買い足したり、ちょんぼ棒ボルト用をフィフィ、スリングと拾った木の枝で自作した。昼食のあとは、El Cap Meadowから壁を観察。13:30の時点でZODIACには3P目終了点に2人、1P目終了点に1人を確認した。そのあとkaniが歯が痛いのでCurry Village奥のクリニックに行く。異常なしということで、とりあえず痛み止めと歯磨き粉をもらった。(64ドル…財布も痛い)                              
 Meadowに戻ると16:00の時点で4P目終了点に2人、2P目終了点に1人?が見えた。彼らの動向が気になるところ。NOSEを登っているはずのM川氏たちは確認できなかった。木々に遮られて見えないのかもしれない。夕飯はドカ食い、2人で900gのパスタ、腹はちきれそう。頑張って食べているとM川氏たちが戻ってきた。4P目までfixしてきたとのこと。A山さんもやってきた。初ヨセミテでChurch Bowl Tree(10a)にいわされたらしい。
 週間天気予報はずっと晴れで最高気温も上がる。雨の心配はしなくて良さそうだ。
9/16 渋滞につきGo Up延期
3:30起床、テントを撤収し朝食をとり出発。4:50に歩き始める。結局ずっと担がせてしまったkamba氏のホールバックが凄く重いので、kani先導で道を探しながら進む。6:30過ぎに取り付き着。
取り付きに着いた時点で、3P目4P目終了点にポータレッジ、かつ4P目終了点からはThe Shortest Straw側にfix有。まさに大渋滞。あまりに詰まってるので、今日のGo Upは諦め、4P目終了点までホールバッグとギアを荷揚げだけすることにする。先行パーティの動きを見ながら8::30にユマーリング開始。kamba氏からスタート、朝から空中ユマールはしんどい。2P目終了点に集合し、kani荷揚げ。またkamba氏先行、3P目終了点で氏が荷揚げ。4P目は再びkani荷揚げ。かぶってるから荷揚げはMuirより楽、はるかに重いのに。4P目終了点にいたパーティーに聞いた所、The Shortest Strawフィックスのパーティーも明日Go Up予定との事。
kamba:それを聞いて相当モチベーションが下がる。岩の難易度や危険に対してはやる気の出しようもあるけれど、こういうのが一番やる気が削がれる。
kani:明日も渋滞か…とがっくり。kamba氏などは「ショートルートでもいいかな…」とぼやく始末。
まあでも、ここまでやったんだし、明日もう一度来てみて、詰まってなかったらGo Upする事に決定。昨日どか食いしたパスタは…単なる余分…。荷揚げ完了して取付に戻ったのが12:30。CAMP4でダラダラしてから、15::35にMeadowから見るとZodiacには7P目終了点に1パーティだけを確認した。テントを撤収してしまったのでCurry Villageのテントキャビン泊。
9/17 いよいよGo Up〜8Pまでフィックスし、7P終了点でビバーク
早朝に起きてシュラフなど軽い荷を持ち、再び闇のZodiac gullyを歩く。取付に2人がビバークしていたがShortest Straw経由のfixしたパーティでは無いようだ。取り付きにて準備していると、Shortest Strawフィックスのパーティーが上がってくる。ユマール競争で勝てるとは思えない(向こうは2本、こちらは3本)し、我々の登攀速度が早いとも思えなかったので先を譲ることにした。1時間ほど取り付きで寝て、彼らが4P目終了点に着き、リードが出発した6:30にユマーリング開始。我々が4P目終了点で登攀準備を整えているときに聞いたら先行パーティはイングランドから来たそうだ。彼等は、我々が到着すると同時にセカンドが出発、ナイスタイミング。
取り付きで寝ていた2人組はまだごろごろしてる、彼等、ホールバックはボルト(でも低い)で吊ってあったが、ジュースを枕元に置いて寝てた、熊られんかな??
5・6P:kamba 5P目C16P 目C2 8:30スタート                    


Zodiac5P目

kamba:5P目、遠いボルトラダーが続くが用意したチョンボ棒が活躍してくれた。このまま6Pをリンクすることにする。6P目、C2箇所でtopoにはinverted camhookと有ったのでカムフックを逆さに決めてアブミに乗り込み次のボルトに手を伸ばしていたらフォールした。見たらカムフックがその屈曲部分で折れていた。なんてことだ。体重をかけたとき不気味にたわんだので怪しいとは思ったのだが・・・。topoではなく自分の感覚を信じれば良かったと反省。結局その箇所はハイブリッドエイリアンで越えた。
kani:kamba氏リンクさせた、でkaniの予定ピッチ消滅。斜上クラックで、初めて使用のkaniのマスターカム無念の残置、閉じきって、反対のカムまで岩に接地してた。ああああ。まあでも、すぐ傍にやはり緑残置有、ここはカムが動いてしまうと思われるんで、やりにくい所ではある。そういう事にしておき、気を取り直しさて、と見上げたら今度はクリップしてないkaniのキャメ0.75、おおあぶないあぶない。
7P:kamba C2+/A3 11:30スタート
kamba:出だしの5.8を快適にフリーで登ってからエイドに切り替える。ピナクル(Black Tower)に立ちこんだ先が悪い。ハイブリッドエイリアンやオフセットナッツで前進するが途中で行き詰る。仕方なくハーケンを打つが効かない。なのでアブミ最上段に立ち込んで右腕を精一杯に伸ばしナッツをほとんど目くらでセット。そのあとも細いクラックが数メートル続いてからレッジとなり終了点に到着。終了点にはなぜかほぼ満タンの水ボトル2本が養生もされず無造作に置かれていた。今日はここで泊まることを決めて、kaniさんには8Pをfixしに行ってもらうことにする。
kani:kaniの順番ではあるが、難しいピッチでもともとしない予定だったんで、引き続きリーダーにお願いする。
8P:kani C2/A3 15:10スタート16:45終了            
kani:7P目終了点はテラスになっていて快適そうなんで、8P目は登って本日はロープフィックスとする事に。出だしのトラバース5.7orC2はややフリー気味で、斜上する5.8orC2はかなりエイドで。すぐ左にShortest Strawのビレイ点が見えるあたりから、ハングするコーナーに突入。残置やカムを駆使し、C2頑張る。最後はボルト。ああ疲れた。で終了点にロープフィックス。ここは懸垂回収困難なので、明日フォローしてもらうこととし、荷揚げロープもフィックスしてそれで7P終了テラスに戻る。
kamba:キレイな白い壁の凹角を快調に登り16:45に終了点に到着。
 18:00にポータレッジ設営完了、Zodiac1泊目のビバーク。やはりテラスがあると作業が楽だ。本日の寝床もkamba氏は内側、kani外側、氏曰く「隅っこが好き」なんだそうな。まだまだ明るいのでのんびりとくつろぎながら夕食の缶詰を食べる。9P目終了点にポータレッジを張った先行パーティは会話が弾んでいて歌声や笑い、ラジカセ?音楽が聞こえる、隣のZenyatta Mondatta の3人パーティも陽気にやっている。つられて?うちらも歌なんか歌っちゃったりしてやすらぐひととき。暗くなると同時に床につく。だんだん増えてくる星を眺めているうちに…熟睡。


ビバーク、うまそうに缶詰食うkamba氏

9/18 7P終了点〜11P終了点                     

Zodiac9P目

5:30起床、6:50丁度ヘッデンが要らなくなる頃準備完了、でkaniからユマーリング開始。荷揚げロープフィックスを上がるゆえに本日も空中ユマールからスタート。
kani:朝イチ空中ユマールはしんどいなあ。荷揚げは楽だが、フィフィをなかなかヌンチャクにかけられん・・・。
9P:kamba C3/A2 8:10スタート
kamba:白くて美しい凹角にはしった細いクラックに丁寧にプロテクションを決めていく。急に決めづらくなったところで右側フェースのクラックにフリーで移り再びエイド。ここで時間をロスしてしまった。終了点に着くと先行パーティがちょうどユマーリングで上がっていくところだった。     kani:凄くキレイなコーナー。でも厳しそう。             

 Zodiac10P目より見下ろす

10P:kani C3/A2 11:20スタート
kani:まさにkaniの為にあるような…イヤミか、の巨乳ピッチ。の貧乳kaniが突入。出だしボルトの後、右斜上ルーフC3ForA1。スモールカム連発、しかもだんだんアングルスカーで幅が狭くきめ辛くなる、ハイブリット大活躍。が1回はずれてディージーキャッチ…何故かアブミがぶっこわれた。1段目なんで、何とかカラビナで調整する。タロン1発の後、クラックは広がりNipple部分へ。キャメ4.5→5で這い上がり、まさに頂点の部分はボルト。また4.5でワイドを抜ける。が、ほっとしたのも束の間、本当に厳しいのはその先。やや左上するクラック、傾斜はないが如何せん細い。C3で行くのはさっさと諦め、LAを打つがきまらん。KB…シールド仕様だから長いのしか無い…を仕方ないから使用し、長いから数分の一しか入らんがそれにタイオフ。じわーっと乗り、次はスモールオフセットナッツ。こいつは効いたからいいが、まだ怖いよ。次はボンバーカム、やっとほっとしました。そこからはカムカム、1回半がけでフォール、今回もディージーキャッチ。エイリアンに換えてクリア。
kamba:El Cap Meadowから見てもはっきり分かるNippleを登るピッチだ。ハング下と上で1回ずつ落ちてデイジーキャッチされていた。はじめのキャッチの際、片方のアブミの最上段の縫い目が破れてしまったとのこと。3時間ほどかけて登りきった。
11P:kamba C3F/A2 15:20スタート   
           

 Zodiac11P目

kamba:Mark of Zoroと名づけられたハングを登るピッチ。岩の弱点を突きながらハングを超えていく気持ちの良いライン取りだった。フックからフリーでピッチ途中のレッジに立ちこむところに一番緊張させられたが、全体に残置が要所にあり今までのC3より易しく感じた。kaniさんがユマーリング中に脆い岩に触れたらしく落石が起きる。指?を少しすりむいたようだ。壁のどこにもあたらず落ちていくのを見て、このルートが全体に被っていることを実感。また落石の衝突と衝突音が時間的にずれていることからもう随分登ってきたことも実感。
kani:Mark of Zorroのハング。「ハングだから写真プリーズ」との要求が来たが、丁度日陰に入ってしまう。ここは回収が大変。振られて触れたフレークはがれるし。
 17:4011P目終了点に二人が揃い、垂直ややかぶりのビレイ点で本日ビバーク。18:30に設営完了したポータレッジがちょいと外傾気味に張ってしまった為、寝心地は昨夜ほど素晴らしくなかった。kamba氏もいまいち寝付けないらしく、夜遅く(22時過ぎ)までぼそぼそと喋っていた。
9/19 12P〜14Pまでフィックスし、13P終了点でビバーク
5:30起床、今日はテラスでないので、モノを落とさないよう細心の注意をはらって準備をする。だから昨日よりは時間がかかった。
12P:kani→kamba C3F/A2 7:30スタート                    


Zodiac12P目

kani:最初は残置もあるクラックでカム使い、左上から直上のC2。右上する部分はボルト2つから…次はねじの足部分!?あのらせんの!!隣にリベットあるけど、こちらはワイヤーリベットハンガーすら受け付けん。仕方ないからその「ねじだけ」にワイヤータイオフし、じわーと体重移動して隣のボルトにクリップ。ちょっとしたテラス状からコーナー。ストッパーからエイリアンへとだんだん広がるC2Exp。キャメ3まで広がり、次に決めたカムでボルトへ…の前にテスティング、外れた!!下のキャメも!!その下のエイリアン黄で止まったが、派手に墜落。はがれたフレークは取り付きに向かって落ちていった。と同時に腰に強い痛みが走る!暫く唸っていたが、下からビレイャーの有難い叱咤激励(ここでやめるな!!)が聞こえてきたのでロープをたぐる。しかし、あまりに痛く悲鳴ばかりが出て進まない。そうだ、ユマールを使おう。ユマールでたぐるうち、幾らか痛みもやわらいできた。気を取り直し、何とかボルトにクリップする、でも1個ボルト、残置コパー、その先左水平トラバースC3ForA2…細い。ここはまたAに、とピトン打つが一向に効かない。腰は痛いし気もめげてる…この先進む自信が…冷静さを失う危険も、と考えた末、遂に口から出てしまった「kambaさん、交代して欲しいのですが…」。自分に負けた瞬間。交代して貰い、リーダーはフック連発で越えていく。
kamba:ビレイしていると遠くでO山さんのコールが聞こえる。今NOSEのどの辺りを登っているのだろう。kaniさんがハングの上に消えてしばらくすると、ハングの上から大きな何かが落ちてきてロープにピンとテンションがかかる。何が落ちたか見下ろすと岩の塊だった。取付付近に激突し凄い音を立てていた。kaniさんも私から見えるところまで落ちてきた。10mぐらい落ちたらしいがkaniさんは登攀を再開し、墜落したC2+expanding箇所を越えた。しかしC3F箇所が超えられずリード交代して欲しいと言ってくる。ビレイ点に戻ってくると妙に早口で落ちつかない様子。リード交代し私がC3F箇所を受け持つ。左上にビレイ点が見えるがそこまでの水平クラックが悪そうだ。フックを3回繰り返して左にトラバースするとようやくハイブリッドエイリアンを効かせることができて一安心。そのあとも気の抜けないフックとフリーをこなして終了点に着いた。
13P:kamba C2 12:15スタート
kamba:脆そうなフレークに緊張させられた以外は特に悪いところも無く終了点のあるPeanut Ledgeに着いた。幅は狭いが平らで快適なレッジ。今日はここに泊まることにする。
kani:バッククリーンが多く、ランナウト気味。C2の後はとっても快適そうなC1。回収は傾斜無いので腰痛くても楽。
14P:kani C1 15:00スタート17:00フィックスまで完了               

Zodiac14P目

kani:腰は痺れるように痛むが、このC1をリードせぬしてどうする、と奮起。13P目終了点はテラスなんで、今日もフィックス張って戻って来ることに決定。さっきの墜落で「フレーク恐怖症」と化し、しまいにはチョコフレークにすら恐れおののく状態(笑)に陥っていたが、そんな心情を逆撫でするような薄いフレーク集合体と見受けられる。「あ〜やだ」愚痴の嵐、やってみたら意外に効いたんだけど、うるさくてすまんの。下向きフレークにエイリアンをセットした後はひたすらワイド。右に出る所は、フレークが薄くて浮いててそーっと行く。で、そこからはどんどんランナウト〜適当な所で、先に使う頻度が低そうなキャメ緑とかを置いていく。時にリベットがあったりもしましたが。このワイド、地面にあって、フリーやったら面白そう。ハング直下で漸くキャメ3〜2へ。ハングにはカム残置有。下り気味の左ルーフにエイリアンきめ、左に乗り越えると終了点。またメイン・荷揚げロープをフィックス。今日は風が強く、ロープが擦れそうだったんで、ダクトテープで養生した。
kamba:脆そうにみえるフレークに恐怖癖がついてしまっているらしくネガティブ発言を連発して登っていく。聞き続けているとこちらも辛いので、歌いながらビレイする。17:00に登りきり、前と同じように2本fixして懸垂で降りてもらう。
 また1人は岩の上、1人は空中なテラスに18:00、ポータレッジ設営。おそらくZodiacの壁の中で寝るのは本日最後、と思うとしんみりしてくる。星を眺めながら、快適な睡眠に突入。今夜は少し風が強い。

9/20 13P終了点〜頂上〜下降の途中でビバーク
5:30起床6:40ユマール開始。また今日も空中ユマールからだ。ビレイ点に着き、メインロープが岩角に当たるんで、荷揚げロープに巻いてあったテープをメインに巻き直しておいた。
15P:kamba C2 7:40スタート
kamba:逆コの字にラインが大きく屈曲するピッチ。C2Rのトラバースはプロテクションを取るほうが危ないと思い、薄いフレークを静かに扱いながらフリーで超える。トポでC2R or 5.7hand traverseとなっているが確かにその通りだ。    
                            

Zodiac15P目

kani:左にトラバースし、そこから細いクラックを直上。C2悪そう。で、次の5.7ハンドトラバースはかなりフリーしてた。バッククリーンC2は、「ごめ〜ん、バッククリーン出来ない〜」とプロテクとってました。最後は割と広いテラスをフリーでトラバース。回収大変かなあ、と思いましたが、結局セカンドもフリー混じり、意外に楽々でした。
16P:kamba C2F/A2 10:05開始
kamba:腰の状態と登攀スピードの理由からリードを交代してくれというので、再び私がリード。特に悪いところも無く大きなブロックの下を右にトラバースすると急に傾斜が無くなり終了点に着いた。これでZodiacは終わった!             

Zodiac15P目フォロー       


Zodiac16P目、抜けた!           

kani:本来はkaniの担当、最後の抜け口、やりたかったが、腰に加え足指が痺れてる、ヘルニアか?C2で落ちたら悪化必至、まだまだ下降もある…「すいません交代お願いします」。もう少しフリーで右にトラバースした後、エイド開始。左斜上クラックを少し上がった後、そのまま行かずに残置ピトンがあるフレークへ直上。その後フックがあったり。そしてブロックを右からまわりこみ、遂にTop Out!!回収もそんなにきつくはなかった。4日間の壁生活も終わり、漸く二本足で立てる場所に着く。     
11:45に2人とも終了点に集合。握手し休憩し写真を撮った。kamba氏曰く「去年のサラテと同じくPine Treeが私たちを出迎えてくれた。」 歩き出す準備を整え13:00に出発。スラブ登ったり、藪突っ込んだり、急登と重荷にあえぎながら14:40にEl Cap頂上のケルンに到着、そこからはトレールをたどる。何か初めから違和感があるものの、ケルンからすぐのところで分岐するようなトレールは無いはずと思い込んでいたので歩き続けるが…ん?エルキャプの方向がおかしくない?「ハーフドームが右だから大丈夫だと思います」。1時間30分後「やっぱりおかしい」。16:00にとうとう道が違うことを確信したので引き返す。kaniばてばてかつ靴擦れが痛く大幅に遅れる。

Zodiac終了点にて、東海40周年手拭いと私達

先行したkamba氏がEl Capに戻ったのが17:15。そこで改めてトレールを探すともう一本あった。標識などは無いので確認できないが少なくともトレールの向きは正しい方向を指している。合流し相談、kani「ビバーク希望」kamba「進む希望」疲れてて?二人共がちょっと感情的なやりとり、反省。悩んだが「進む」を採用。このトレールを歩き出すものの30分ほどでkaniがシャリバテで
すぐには歩けないので再びkambaが先行する。ばてkaniは食い休憩、したら一気に元気回復でサクサク歩けるようになった。パワーバーとビッグカツを一気食いしたが、特にビッグカツがカラダにしみ込んだなあ。そのときはまだ暗くなっても今日中に降りきるつもりだったが、先行して歩くうちに蟹江の状態と、暗くなっても道を逸れず、また2人がはぐれないという自信が無かったのでビバークすることを決める。ただしこのトレールが正しいことだけは今確認しておかなければならない。
kamba:一人で歩いて20分ほどで前方に見覚えのある岩壁(Eagle Peak)が見えてきた。このさきに去年岩森さんと休憩した広場があるはずだ。記憶を確信に変えるために先に進むと、やはり記憶どおりの明るい広場に出た。正しいトレールであって欲しいという私の願望が記憶を歪曲しているのでないことを何度も確認してから、道を戻ってkaniさんと合流し今夜はビバークすることを告げる。
クマが怖いのでトレールを少し引き返して、岩がむき出しの開けた場所をビバーク地点とした。水は余ったぶんをほとんどZODIACの終了点に置いてきてしまったので厳しい水制限に入る。さてさて、予備缶詰食って今夜も胃袋満足…kamba氏「入れるの忘れてました」…飯抜き(涙)。余りのパワーバーを食べ、口を湿らす程度に水を含むとあとはもうやることはほとんど無い。ゴミと食料は20m近く離れた巨石の上に2人で肩車して置いた。kamba氏は岩の上、kaniは地べたに転がり寝る。kaniは腰が痛くてクルクル寝返り、あまり寝られんかった。でも星が凄く綺麗で、天の川からアンドロメダ、オリオンまで、夏→秋→冬と星座の移ろいを楽しんでおりました、屋外無料プラネタリウムですな。
kani:ずっと憧れ、でも怪我で諦めていた、エルキャプを遂に完登した。到着した時、リーダーkamba氏と握手、同時に目から熱いものがこみ上げてくる…嬉し涙が止まらない。今までのクライミング人生で一番嬉しかった瞬間であった。
kamba:岩の上でシュラフに入って寝転ぶと素晴らしい夜空が広がっていた。Zodiacを登っていた際の夜空も良かったが、壁中では星空が半分しか見えないのに対し、今夜は正に360度広がった満天の星空。天の河とオリオン座くらいしか知らないのが残念だ。こんな素敵な野宿を繰り返せるならBig Wallのような垂直方向ではなくJohn Muir Trail等の水平方向の旅も悪くないのではないか、と思うほどだった。          

Zodiac終了点に佇む    
 9/21 歩いてバレーへ戻る                  
5:30起床。パワーバー食べた。kaniのダウンに偶然入ってたテーピングを二人共できていた靴擦れに巻き(本来持ってるはずが入れ忘れ)、暗い中をゆっくり準備して6::25出発。出発時はまだ薄暗かったが、しばらくは前日に確認済みの道なので不安は無い。歩き続けると標識がいくつか有り私たちが正しいトレールにいることを教えてくれる。暫くは殆ど平坦、だが休憩時にkaniは蜂に3箇所刺された、痛い!!でも、その痛みのおかげで、腰の辛さが彼方へ忘却?ある意味助かった。意外と早く、8::15にUpper Yosemite Fallls Trail着。ここからは急な下り、トラバースと登りかえしが続き、水がほとんど尽きたこともあり非常に辛かった。kaniのハイドレーションが真空パックのように吸い尽くされた。もういいかげん着いてくれーと思い始めて久しく経った10::40にようやくCAMP4に到着。水場に直行しWater!と叫んだらそこにいたクライマーがミネラルウォーターをくれた。美味しい!「水は命の源です」「神様です」
 ちょっとだけ休んだ後、並んでみたが2グループ前でCamp4はFULL、仕方ないからまたCurry Villageに宿を取る事にした。その後kaniがバスで車を取りに、kamba氏がhuman wastesを含むゴミ捨て&荷物見張り番。バスが近く(El Capitan Picnic Area)まで行ってくれるおかげで、回収が楽だった。テントキャビンはハイシーズンを終えたせいかかなり安くなっていた。泊まるところを確保したあとはまず一番にシャワー!擦り傷にお湯がしみるが非常に気持ち良くようやく人心地がついた。House Keepingで汚れた衣服を洗濯してからキャビンでくつろぎ、夕方から食べ放題に出かけて満腹まで食べて満足した。うちらと同じ日にNose へGo UpしたM川氏達はまだ戻ってないみたい。この夜は、興奮冷めやらぬせいか、二人共何だかあまり寝られなかった。

                  
 トレイルは気持ちよく快適。荷物が軽けりゃねえ
:9/22 レスト・余韻に浸る・片付け
 5:30前に起床。テントキャビンを引き払って6時ごろCAMP4受付に行くと既に20人弱と思われる行列ができていた。待ち時間を利用してZodiacの記録をつらつらと書く。誰かにうしろから声をかけられて振り向くと、M野さんが疲れた表情で現れた。Noseは4泊5日で抜けたが帰る途中で眠くなりUpper Yosemite Fallで一眠りしてきたのだという。水ホントに厳しかったみたい。お疲れ様でした。M川氏は別人のようにやせこけていた。今日はキャンプ大混雑、8時過ぎにやってきたレンジャーにサイトの空きは21人と言われたときは今日はテント張れないかなと思ったが、先に並んでいたS本さん達に混ぜて貰い、何とかゲット。テントを張ったあとにギアの仕分け。kamba氏は靴を取りに取り付きへ、kaniは不要なギアを日本へ送るために郵便局へ。
kamba:靴擦れと疲れからゆっくりしか歩けない。ZODIACとTangerin Tripに1パーティずつ登っていた。スニーカーを回収ついでに辺りを見渡すと、12P目の落石の衝突痕があった。あたりには粉々にくだけた岩が散乱し、落石と衝突した地面側の岩が真っ白になっていた。
 適当な時間で合流し、MeadowからEL CAPITANを眺める。やはりこのイベントは欠かせない。Big WallのあとにMeadowで寝ころんで眺めるEL CAPITANは最高。Zodiacの登攀を思い出すとともに次の登攀に思いを馳せる。次に登るとしたらどこが良いかなー。
Kani:キャンプ4に戻り、酒のんで、kaniは夜自宅にTEL。完登を報告。「で、ハーフドームは?」ワシを殺す気かい。


9/23 ボルダー・ドライブ
 6:30起床。起きて体の調子を確認するとまだ回復してない感じだったので、kamba氏が予定していたShort Circuit(11d)をさわりに行くのは止めて午前中だけ軽くボルダリングにする。氏は、一昨年登れなかったAment Arete(V6)とBattle of the Bulge(V6)を中心にトライ。
kamba:Ament Areteの出だしは腰から落ちそうで思い切ってできない。Battle of the Bulgeは1時間ほどさわっているうちに昔のムーブを思い出した。
kani:氏がAment Arete(V6)をやってる脇で、V0とVBをさくっと1撃しときました。
 その後11時からはは、タイオガロードドライブ。平和でキレイな景色が続く。往路はkani運転、だが眠くなってkamba氏に交代。涼しいTuolameの売店でハンバーガーをがっつり食い、ビジターセンターに立ち寄って引き返す。Tenaya Lakeの美しい湖水を眺め、点在するDomeにクライマーの姿を見つけて羨ましく思ったりして、道は下降に入る。最後に、Olmsted Pointで逆Half DomeとErraticsを見物。毎度ながら、YOSEMITEは氷河地形の宝庫ですな。帰途は、kamba氏がノックアウト、睡眠タイム。買い物の道すがら?House Keepingのボルダー見たりしてキャンプに戻った。夕方にもう一度ボルダリングしようかなと思っていたらS本さんたちがRostrumから戻ってきた。とても難しかったらしい。S本チームにビールをご馳走になり、A山チームも合流、こちらはワシントンコラムを敗退してきたとのこと。長いクライミングトリップのせいかモチベーションが下がっているよう。なんだかんだとしゃべっていたらボルダリングに行く機会を逸したが、まあそれも良し。
9/24 少々クライミング     


kani on House Keepingボルダー


kamba on Battle of the Bulge

 6:00起床、今日は行こう、とShort Circuit。kamba氏早速トライするも、疲れが抜けていないようでカムカムエイド。TR張っていただき、kaniも遊ばせて貰う。中間部までのハンドは快適で、「あ〜やっぱクラックっていいな〜」と思ったが、シンハンド&サムカムになるとさっぱりできん。もともと下手だが、くたびれきってるのもあり、いつも以上に諦めが早し。kamba氏もTR、でも苦戦してた。も一回、ハンド部分だけ楽しんで終わりにしました。9時半ごろまでは壁に日も射さず良い状態。そのあとも木陰なのでトライできないほどに暑くはならなかった。帰りがけ、Cookie Cliffから暑くて避難してきた北海道から来た方とすれ違いました、やっぱ暑いよね〜。
ついでにkamba氏がCrimson Cringe(12a)を見たいと言うので、以前Dらっち達と見物しに来たkaniが案内。前にも思った通り、綺麗なクラックですわ。kamba氏の心も充分刺激したようです。「これはなかなか見映えのするクラック。今度YOSEMITEに来たら是非登りたい!!」と。
 戻ってシャワーの後、ついでにちょっとHouse Keepingボルダー。気になっていたV0「レール」を使う課題、、全く出来んがな、後で見たらV3、そりゃ出来るわけありません。あと適当にV0とか触ったが、背の小さい日本人女性(170p)には柳飛び蛙状態、ってのが多く早々に退散。せんださんや自分のお土産などを買い、夕方はkaniもちったあ登らにゃいかんかの、とSwan Slab。Penelope's Problem(.5.7)でお茶を濁すか、と気軽に取り付いたが、最初のど〜って事無いスラブが怖くて行けん。ど〜しちゃったんだ。泣く泣く越え、プロテクセットしてホッ。そこからはてけてけでした。屈曲するんでも1回登って回収、あ〜疲れた(精神的)。kamba氏は再びBattle of the Bulgeを触る。ようやく一昨年と同じ高度まで登れたそうです。夕食の頃からkaniのテンションが急降下。Zodiacを登ったことによる虚脱感か。
 夕食食った後、kamba氏は早々に就寝。寝れないkaniは本読んでグダグダしてた、らM川氏が来て、宴に誘われる。O山・M野さん・M野さんのお知り合いのIーづかさん達と楽しい時間を過ごした、久々に22時過ぎまで起きていた。
9/25 ボルダー
 昨日、地の底まで落ちてしまったモチには丁度良い?朝食を食べたあとも帰途につく直前のO山婆さん達とグドグド過ごす。いつのまにか11時を過ぎていた。こりゃいかんか、と昼からM川氏交えて3人でボルダー行脚に出る、が暑くてみんな気分乗らず。テントに戻ってkamba氏昼寝、kaniとM川氏はだらだら喋って時間を過ごす。
夕方は、涼しくなったんでCamp4Wallへ、この頃は荷物背負っただけで痛みが走る程腰痛が悪化、一歩一歩が辛く、ビレイに付き合ってくれたkamba氏に追いつけない。それを言い訳に、Doggie Do Do(10a)にTRを張り、1回だけ遊ぶ。ワイドは腰に来るのでズルしたり、でも元気な時ならリードでも行けそう。氏は再びBattle of the Bulgeを触る。「リップ直下までいけた。だけどあと10cmが届かない。」と。
9/26 ボルダーなど  
                   

Chapel Wall付近にて

 朝、kaniは今日も元気にボルダー出勤するkamba氏を尻目に2度寝を決め込む。
kamba:午前中、私は相変わらずBattle of the Bulgeにトライ。とうとう右手中指の皮が裂けてしまった。一昨年も同じところが裂けた。この課題はこの箇所だけ消耗が激しいなー。とりあえずテーピング巻いてトライを続ける。
kani:全く何もする気がおこらんが、いかんかなとChapel Wallに見に行ってみる。しかし下から眺めた10bのクラックにモチが上がらない。Chapel Wallの名前の由来となった教会(もしくは礼拝所、結婚式用会堂)では結婚式があるのか正装の人が出入りしていた。そして、今度はChurch Bowlに向かってみる。パートナーを引っ張り回してるだけだなこりゃ。ますますいかんと、Church Bowl Chimney(5.6)に取り付いてみる。プロテク取れそうだから行ってみたが、いざ入ると取れん取れん。地の底まで落ちていたモチは、恐怖と相まって遂にマントルを突き抜けて落ちていってしまった。ザ・コアかい。あまりに仕方ないので、キャメを犠牲にし下降。どんどんドツボにはまっていく…、でも最後だからと夕方はボルダーに行った、ひとりこそ練でVB2本登れた。漸くちょっと楽しくなったひとときであった。
kamba:私は夕方2時間ほどBattle of the Bulgeにトライ。テーピングのこつが段々分かってきたし、痛みにも慣れてきた。夕飯時に缶ビールを1本飲むとものすごく酔いがまわってしまい、Yosemite最後の夜の感傷にふけることもなく就寝。 

9/27 Yosemiteを離れ、Berkreyへ
 kamba氏5時起き、「再び寝なおす気にならなかったので、ヘッドランプを点けて昨日書けなかった日記とお土産リストをつくる。のんびり朝食を取ってからテントを撤収した。」kaniは最後までご出勤の皆勤賞kamba氏を見送り、ただコーヒーとただココアをがぶ飲み。車のウィンドウを拭いたりして出発準備も…あ、kamba氏ドア開けっ放しだ。危ない危ない。勤務中のkamba氏のところに鍵を取りに行く。
kamba:8:30すぎから1時間ほどBattle of the Bulgeにラストトライ。昨日より良かったがやはりリップには届かない。ムーブにもう一工夫必要なのだ・・・。いったい何年越しの課題になってしまうのだろうか。
 精勤kamba氏が戻ってきたら、片付けして10過ぎにCAMP4を時出発。Cookie Cliffに向かうM川A山コンビと共にMeadowで車を停めEL CAPITANに最後のお別れをする。名残惜しい気持ちでYOSEMITEを離れ、途中スーパーで土産買いしつつ、本日はBerkleyまで。15時すぎにはBerkleyのMotelにCheck in。宿を取った後は、部屋で飛行機預けのためのパッキングをしたあと徒歩でREIへ。でも大したモノは無く、kaniが本とDVDを買った程度であった。
 夕食はこのへんやたら多いインド料理。kaniのラムカレーは肉ごろごろ&ナン&メシ、多い!!しかし、kamba氏のタンドリーチキンは更にメガ盛り、6本が器からはみ出さんばかりに盛られていた、驚愕。「kaniさ〜ん1本いりませんか〜?」の泣きメッセージをさらっと聞き流し、これはこれでかなり苦闘なカレーをワシワシ摂取したのであった。
kamba:バスタブにお湯をためて丁寧に体を洗った。シャワーでなくお湯につかるのは随分と久しぶりで気持ちよい。テレビでは火山と雪崩についての番組をやっていて、kaniさんは特に火山の番組をかぶりつきで見ていた。私は雪崩の番組を見ている途中で眠気におそわれ就寝。

9/28・29 Berkrey→SFO→NRT→NGO
 昨夜、泣きをさらっとかわしたおかげで、kaniは今朝もまずまず食欲有、モーテルメシをがっつり食う。kamba氏は食欲ダウン、牛乳が一番美味しかったそうです。7時過ぎにMotelを出て空港に向かう。渋滞につかまるがそれでも40〜50分ほどでレンタカー返却所に到着。暇暇潰し、いよいよさらばアメリカ。飛行機も暇暇、だがkaniは珍しく酔い、2回ばかり吐いたら良くなったが辛かった。kamba氏は時差ぼけを考えて眠くても出来るだけ眠らずに映画を2本連続見たりしていた。氏は更に暇が我慢出来ないらしく、空想あやとりなんぞをしておられた、大の男が指をもぞもぞさせてるのを見てると何だかムズ痒くなってきた。
 成田→名古屋、セントレア空港に着いたのは20時ごろ。そんな感じで、とうとう帰ってきてしまいました、あっという間だったなあ。


《参考》Zodiacに持っていったギア
キャメロット:紫(0.5)=1・緑(0.75)=2・赤(1)=2・黄(2)=3・青(3)=2・グレー(3.5)=2・紫(4)=2・赤(4.5)=1・緑=(5)1
エイリアン:黒=1・青=2・緑=2・黄=1・赤=2・橙=1・グレー=1
ハイブリッドエイリアン:黒青=2・青緑=2・緑黄=1・黄赤=2
TCU:00=1・0=1・1=1・2=1
マスターカム:2=1
ストッパー:1set ブラスオフセット:2set オフセット:1set
バードビーク:2 ラ−プ:1
KB:3=1・4=1・5=1  LA:1=1・2=2・3=2
アングル:1/2=2・5/8=2 ソードオフ:1/2=2・3/4=2・11/4=1
コパー:4 フック:2 カムフック:2
カラビナ:40 クイックドロー:8 タイオフスリング:10 スリング:多数

リベットハンガー:ワイヤー=3・ハンガー5
リベットちょんぼ棒:2 ちょんぼ棒:1

《参考》Zodiac食糧
水:27?(1人一日3?×2人×4日+予備3?)&初日水筒分
パスタ・シチュー缶:6 フルーツ缶:6 べーグル:6個 パワーバー:24本
駄菓子(干し梅:12・ビッグカツ:4・カレーカツ:2・いかそうめん:1・蒲焼さん太郎:1・ミックスナッツ:2・アーモンドフィッシュ:2・お好み海鮮:2)

《参考》BIG WALL DIET??
GO UP前             終了後

《おまけ》