北アルプス 南岳西尾根

日時2006年12月29日〜31日

メンバー 大関、岩森

今年は全然雪が降らない。等とぼやいていた2006年年末。突然まとまった雪が山行当日から降り出した。

28日
の夜岐阜を出発した。深夜に新穂高温泉に着く。道路にはしっかり雪が着いていた。バスターミナルの下が冬は無料になるとは知らずに、夏同様のもう少し下の駐車場に車を止める。相棒の副住職は倉木麻衣の来年のカレンダーを持ってきて嬉しそうだ。

29日
予報通り雪、この日は寒気が入る日で、平野部でも雪が積もる予報だった。
林道歩きが長いので少しは楽が出来るかと思い荷物用にソリを用意してみた。子供用のソリでホームセンターで売っているやつだ。しかこいつが全く使えん・・・。駐車場から林道までは何とか引けたが、その先はトレースは無く、完全なラッセルを必要としていた。ソリは一歩も進まない・・・。あっけなくソリはデポし進むことになる。もう少し登山者がいてトレースも期待できるかと思ったが・・・。山はそんなに甘くないのね。「トレースは自分でつけてこそ美しい」会のポスターの標語を思い浮かべながら林道をラッセルする。
白出の出合まではノントレースだった。そこからは1名下山してきた登山者のトレースが仕え、さらに途中からは槍平から来た2人組のものも加わり楽になった。とはいえ後続とラッセルを交代することなく8時間かけて槍平の冬季小屋に到着。本来は南岳西尾根に取り付き幕営るす予定だったのだが、いきなり出鼻をくじかれた。

30日
冬季小屋には同じく南尾根を目指すパーティーが他に2組6名がいた。
6時15分出発。前日から入っていたパーティーが付けたトレースを使わせてもらいながら高度を稼ぐ。取り付きはガイドだと南沢を詰めて横断しルンゼ状を上がるとなっているが、1900m位の夏道と南沢が交差する辺りから入った。雪が少ないと薮がうるさいだろうけど、先日の雪が幸いしている。地図でも等高線は混んでいないし、南沢の雪崩が恐いときはここから取り付くの手かと思う。
しばらくして、先行パーティーに追いつく。デルタ状岩壁の下部でアイゼンを装着し、尾根状の風に備えてアンダーウエアーを着る。
デルタ状岩壁は岩壁下部に正面にルンゼ状があり、僕たちはそのルンゼ状の右の薮を登っていった。ここは潜って苦しいラッセルとなった。やがて岩壁と高度が同じくらいになると急になってきたのでロープを出した。薮と急な雪壁だ。戸隠を登っているような感じ。次は岩のピッチだ。重荷だとそんなに簡単には登れない。この頃から天気が回復し、周囲の山々が新しく雪化粧をして、美しく輝いていた。
(↓核心のマッチ箱手前にて)


雪壁や岩稜を越え、先頭で3時にマッチ箱着。思っていたより大きな岩ではなかったが、確かに両側は切れ落ちている。夏道の梯子らしき物で支点を作り副住職が突撃。岩じゃなくてもっと別の物に馬乗りになりたい等と不遜な事を妄想しつつ突破したらしい。更に数ピッチロープを出す。
やがて大きな尾根に吸い込まれ日没と同時に南岳避難小屋に到着。途中で写真を撮ったりしていたため、稜線の強風に吹かれすぎて、2人とも低体温になり、小屋の中でしばらく動けず苦しかった。

31日
強風は明け方には止み、富士山が見える晴天に恵まれた。
(稜線から槍を望む)


稜線上を槍へと進む。大喰西尾根も下山の候補だったが、天気も良く、中崎尾根からの登山者のトレースが使えそうなので そちらを選んだが、下り初めて槍沢が使えそうだった。登山者のトレースがあるし 雪も安定している。誘惑に負けて槍沢を選ぶ。しかし下り口で不覚にもスリップし3m程滑り岩にお尻を打って止まる。かなりブルーな気分に。気をつけねば。

槍沢を一気に下る。11時下開始で、12時45分には槍平着。残りの食事を使いきってから2日前とは全然違う、バッチリのトレースをたどり日没間際には新穂高温泉に到着した。

戻る