端牆山十一面岩壁 ベルジュエール 2001.9.13 岩森・大関
 アプローチは、植樹祭会場より木材チップを敷き詰めた道を上がり、ペンチが見えた辺りから右に沢の方に歩いて行くと、沢沿いに道が続いている。40分ほどで岩小屋に着き、テントを張ってから取り付きに向かった。岩小屋のすぐ上には末端壁があり、素晴らしくも難しいクラック達が肩を並べていた。モアイフェースやシロクマを見上げつつ取り付きに到着。
 ↓ルート3〜7ピッチ辺り。
 先行がいたのでゆっくり仕度をし、9時出発。1ピッチ目は大半があぶみの掛け替えで進む人工登攀だ。あぶみが必要なのはこのピッチだけだから、袋に入れて取り付きに投げた。
 2ピッチ目は左にスラブを上がり、凹角状を右に乗り越える。3ピッチ目はフェースを直上し、広いテラスからそのまま急な凹角を詰めて最後は左側のクラックの走ったフェースを使い枯れかかった木のテラスまで。4ピッチ目は短いがナイスなハンドクラックを登る。そこからは5ピッチ目のメインイベントである大フレークが良く見える。先行パーティーは苦戦していて、トップが交代していた。フレークの下部は広いが良く見ればプロテクションはいろいろ取れる。右のフェース部分のスタンスを拾いながら、丁寧に上がって行く。フレークの入り口に一つめの#4を入れ、レイバック気味に上がり更に#4を使い一気に乗り越えると広くて平らなテラスに出る。
 ここで思ったのだが、向かいに見えるシロクマの頭の所とこのテラスにロープを張れば、丁度ヨセミテのロストアロースパイアで行うスラッグライン(綱渡り)が出来るのではないか?と思った。それに比べればスケールは短いが、練習にはなるのではないだろうか。
 6ピッチ目はチムニー。とても楽しい。フォローはザックをぶら下げた方が良い。7ピッチ目は岩の隙間をチムニー登りで上がり、最後はスラブ。
 8ピッチ目は出だしに2本ラインが取れ、右の広めの凹角状を登るか、正面のフィンガークラックを登るか選べる。僕はフォンがーの方を選んだ。突き当たりでにハンドクラックを左方向に登るのだが、プロテクションとジャムの位置を考えないと上に上がりにくい。尚、このピッチは屈曲してかなりロープの流れが悪くなる為、ランナーの取り方に注意が必要。
 9ピッチ目は岩の上を歩いて進める簡単なピッチ。
 10ピッチ目
はいよいよ十一面のピークに抜けるピッチだ。一見いろいろルートが取れそうだが、僕は最初フェース面を登りフレークをハンドトラバースしてルートを探ったが、そこから上に抜けられそうに無かったので、クライムダウンした。次は大関君がもう少し左のクラックの部分を試みたら抜けられ、ピークに立つことが出来た。3時30分
 日が沈みかけた端牆の険しくも優しい山容が何とも言えない。ピークに抜けられるクライミングは楽しい。
 下降は頂上より、一つ下のピッチまで懸垂し、後は歩いて取り付きまで降りられた。
↑5ピッチ目の大フレーク