Middle Cathedral Rock 「East Buttress」 岩森・大関

ミドルカジードラルのイーストバットレスは北アメリカベストクライミングルート50選に選ばれている名ルートと言うことで、僕にどんな経験を与えてくれるのかと、楽しみに出発した。

 もたもた出発した割に一番に取り付く事ができた。準備をしていると次から次ぎへと人がきて、外人は「ラッシュアワー!」と笑っていた。ほとんどのパーティーがあきらめて下りていき、僕らと他1パーティーだけ取り付いたようだ。彼らは、叫べばいいのに、トランシーバーでコールのやりとりをしていた。
 登攀内用は、クラック主体のルートかと思っていたが、まるで日本の本番チックだった。フェース・スラブに慣れているとより楽しいでしょう。フレークが多く、しかもあまりしっかりしているとは思えず、がんがん登れなかった。ボルトはおおむね良好だが、ピッチを切る場所が分かりにくい所もあった。
 5ピッチ目のボルトラダーの所からハイヤーカシードラルスパイアーがシルエットになって見えカッコイイ。


 登っている最中のロケーションは最高で、この素晴らしさがベストクライミングルート50選に選ばれた理由なのではないだろうか?
 6ピッチ目で左右に分かれるが、僕らは右のルートを選んだ。左はかなり悪いらしい。

 抜けてからの下降は明瞭で、踏み後に沿って忠実に登り、やがて左に巻くように下り出す。するとハイヤーカシードラルとのつなぎ目のような壮大なルンゼに出る。シングルの懸垂を3回で安心して歩ける所に下りられる。

 ともあれ、完登したわけですが、
「さすがベストクライミングルート50選!」
という程の感動はなかった。しかし、ロケーション、適度な難しさ、(←フェース・スラブに慣れておこう)がマッチした良いルートだとは思います。一度は登る価値はあると思います。

Serenitycrack〜Sons of Yesterday 岩森・千田

 1ピッチ目はよくここまで打ったものだと感心させられる程のピトンスカー。そいつを親指と人さし指で掴みながら登る。でもなんか気持ち悪く、あんまり好きじゃない。
←写真は2ピッチ目で左のクラックから右のクラックに移った所。結構恐いトラバースだ。
 上のパーティーは3ピッチ目の10dのシンクラックを登っている。僕はそのピッチを担当し、オンサイト出来嬉しかった。エイリアンの赤/ナッツ/エイリアン黄/緑と順に使い登った。
 SerenityCrackは1ピッチ目以外はすっきりしていて、楽しくロケーションも良く最高でした。

Serenitycrack 岩森1-3 千田2


Serenitycrackの3ピッチを登るとSunsetレッジへ簡単な登りがあって次はsons of yesterday。

写真は1ピッチ目終了点(1と2をつなぎ、クラックから生えた木でピッチを切った。)で一部ワイドの所があったりと僕には悪く感じられた。その上からは最後までハンドが決まりまくる、超快適ピッチが最後まで続く。最後に右上する、おまけスラブあり。

Sons of Yesterday 岩森(1-2)-4 千田3-5


終了点にて。ここの下で終了して下降することも出来る。写真の地点までは結構渋いスラブ登りが必要で、途中ピン1つでフォローだったけど、後少しで落ちるとこだった。

下降は各ピッチ1回ずつ同ルート下降。
シューズのかかとを踏んで下降してたら、片方落としてしまった。うおー100ドルがー!とがっくりしたけど、さすがC4。自らジャムを決めて止まっていてくれ、回収できた。
 結構上まで上がれるし、眺め、難しさとどれをとっても文句のない良いルートでした。

Half Dome 「Snake Dike」 岩森・大関

 満月の日を選んでハーフドームで月見をするのを目的にSnekeDikeを登りました。出発前、よほど日頃の行いが悪いのか、相棒はハチに足を刺され、(やたら肉に反応して飛んでくる黄色いやつ)パンパンに腫れ上がり、出発を一日遅らせたりといろいろあったが、長いアプローチを気力でこなし、いよいよ登ぞー!ってなところで
「シューズが無い」「たばこも無い!」と大慌ての相棒。
 てんやわんやでクライミングが始まり、仕方なく相棒は運動靴でフォローと相成り、つるつる滑っておりました。

 ピンは終了点以外にはほとんど無く、ひたすら写真のような見事なダイクを登っていく。これの楽しいの何のって。なんでこんな風に岩がなるの?と考えつつどんどん登ってゆく。
 ダイクはSnakeDike1本だけじゃ無くて、何本か走っている。パンぷした腕に浮き出た血管のように。
 ルート図通りに最後まで登ると傾斜は緩くなり、ひたすら岩の上を歩いて頂上へ。頂上には何かあるのかと思いきや、何も無い。日本のように「ここが頂上です」看板も無い。

御覧のように思いっきり絶壁の縁まで行けます。

積み重なった岩の隙間に眠り、ちゃんと予定通り月見が出来ました。

 注意!りすがいます。僕達は翌朝のドーナツを全部食われました。


 アプローチがちと遠いのが難点だけど良いルートです。また登りたいです。今度は月夜に月明かりで登るという企画はどうでしょうか?