北アルプス 抜戸岳 南稜〜東尾根

メンバー/千田・朝岡(記録/千田)

1/7 名古屋−(R41)−新穂高温泉 駐車場
1/8 駐車場 6:30− 南稜の取付 7:30−P3 10:30−穴毛槍 12:00−南壁のコル 13:50−南壁左のルンゼ登攀開始 14:50−南壁の頭 CS 17:20
1/9 CS 6:50−抜戸岳 9:15/9:30−(東尾根下降)−第2堰堤橋 11:30−新穂高温泉 駐車場 下山 13:30

*天気* 8:曇り、9:晴→曇り

今年の私は運がいいようだ。天気、3月のような安定した雪の状態、林道だけついていたトレース、など全ての面で恵まれ、予想外にも2日間で、抜戸岳南稜に行ってこれた。学生時代に、笠ヶ岳あるいは中崎尾根からこの稜線を見て、一度は行ってみたいバリエーションルートと暖めてきただけに喜びは大きい。
実際の南稜では、ロープを出したのは一ヶ所、南壁左ルンゼのみで基本的には雪の尾根歩きに終始する。技術的にはそれほど難しいものではない。しかし、雪の状態に恵まれたことが大きく、取付きのルンゼ部分や、南壁コルからのトラバース、など状態しだいではかなり危険性が増す可能性がある。また、ルンゼ部分の登攀も、決してやさしいものではない。雪庇、きのこ雪などはこれからもっと発達してやっかいになるだろう。
展望は素晴らしい。右手をみれば槍から穂高の一級稜線。左手をみれば、穴毛谷のリッジ群が険しい表情を見せながら我々を誘う。そして、その上部には、笠ヶ岳が朝日を浴びて光り輝き、自らの存在を主張している。
抜戸の頂上はだだっ広く、笠ヶ岳までの道はいかにも遠い。今回は頂上への往復を諦め下山にかかる。東尾根へ降りるところは雪庇に注意が必要。東尾根は急傾斜で、一直線に落ちている。出だしさえ気を付ければ下降路として充分に使える。トレースで締まった林道をてくてく歩き無事に下山、久々の温泉を楽しむ。駐車場から振り返ると、取付きのルンゼや穴毛槍、南壁がはっきりと見えてうれしかった。

以下、主なポイントを箇条書きでまとめる。

・取付きは、林道から橋を渡り、30mほど戻ったところのルンゼ。ルンゼは、遠くからでもそれと分かる立派なもの。
・ルンゼは、雪崩の完全な通り道。雪の状態には要注意。
・今回、南壁は左にトラバース、ルンゼを登攀。ルンゼに降りるところは懸垂下降。ルンゼは約100mの登攀。残置ロープにかなり助けられる。
・良好なテントサイトが多い。写真撮影にもよいのでは?
・抜戸岳の手前は緩やかで、スキーを楽しめそう。
・東尾根は下降路としてふさわしい。

私個人として、年末年始3部作(旭岳、幕岩〜燕岳、今回)を無事終えることができた。一緒に行って頂いた皆様、ありがとうございました。次は、錫杖〜笠〜抜戸岳東尾根かな?それとも穴毛谷かな?と夢は膨らむばかりです。今後も一緒に遊んでください。よろしくお願いいたします。

*以下、朝岡さんの感想*
正月山行(屏風〜北尾根〜明神)を終えて3日後に出発&ラッセル大変そう!ということで、バテバテになるんじゃなかろうかと不安を抱えての出発。南壁のルンゼでは、かなりいわされた。
憧れの笠ケ岳には登れなかったけれど、穴毛谷を近くで見れたし、少しは雪壁登りも上達?したつもり。雪山はやっぱりおもしろい、サクサク登れるように強くなりたいと改めて感じる山行でした。